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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『狩人の決意、少女の覚悟』

前回→AD少女たちの過去編 『師と弟子』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ

――彼に会いたい。

そう願って、私はここハンター協会にやってきた。
正直なことを言うと、最初は門前払いを喰らうかと思っていたし、そもそも動機が不純だったしね。
あの夜に出会った彼――ゼロ――ともう一度会って、お礼が言いたいのもあったけど……。
一番の目的は、彼に頼って私自身もヴァンパイア・ハンターになるということだ。
私の家族を皆殺しにした吸血鬼、彼の情報を手に入れるためというが第一の目的なのだが。
風俗まがいのことを続けていくよりは、遥かに効率の良いやり方だと思ったのもある。
それに第一、今の鈍った私の殺しの腕じゃ、あの時の男に勝てるとは思ってもいなかったし。
そういうことを考えた上で、私はハンターになると決心したのだ。

そう易々と通してはくれないだろうと考えていたけど、案外簡単に通してくれた。

――登録番号10008にお礼を言いたいんですけど。

この一言だけで、見張りだと思われるチンピラまがいの人がすぐ話をつけてくれた。
でも、なんでだろう。あの人たち、何かに怯えているかのようなそんな気がしたのだけれど。
正直、ここまでトントン拍子に話が進むと、返って恐怖を感じる。
実はこれ、罠か何かなんじゃないかって疑わしくなってしまう。
今までの境遇のせいかもしれないし、そうではないのかもしれない。
でもそれでも、自分の人生の中でここまでトントン拍子に話が進んだことなど一度もないのだ。
そう考えると、やっぱり何かの罠なんじゃないかって疑わしくなってしまう。

でも、それでも前に進むしかない。
少なくとも、今までの死んだような人生よりは、まともな人生を歩めるはずだから。

そして、案内係と思われる人に案内されたところがここ、食堂。
どうしてここで待たされているのかは分からない。
そもそも、何故食堂などという場所をチョイスしたのだろうか。
普通だったら、面会室だとかそういう専用の部屋があるはずなんだろうけど。
よりにもよって、何故食堂? こんな二人っきりの話にはまるで向かないような場所でどうして。
勿論、その疑問に答えてくれる人はいない。
故に、言いようのない不快感が溜まるのだ。

だけど、ここに来させた答えはすぐ見つかった。
そう、彼がここで待っていたのだ。
窓に近い四番テーブルで。

「ゼロ、おまたせ」

「ああ」

彼の向かい側に座る。
あの夜とは違った感じの彼。
なんというか、気さくな感じがする。
言葉で説明しにくいのが残念だけど。

「何がいい?」

「なんでもいいよ」

「なんでもいいって言うんだったら、この食堂で一番不味いメシでも食わせてやるよ」

えっ? 一番不味いもの?
それを普通、女の子に勧めるなんて冗談……だよね?

「ああ、冗談さ」

なんだ、ただの冗談だったのか。
でも、こういう冗談は本当やめてほしいなぁ。
柄でも無い事は分かっているけど、傷つくというか、心に沁みるんだよね。
思わず涙が出ちゃいそうになるくらいに。

「分かったよ、まぁまともなもんでも頼んでくるわ」

彼はそう告げると、席を立った。
彼が女心を理解しているのかどうかはさておき、できれば不味い料理は止めてほしいなぁと思ったり。
……まぁ、私の予想は半分的中半分はずれという結果になったわけだけど。

「カレー?」

そう、カレーだ。
香ばしいスパイスの匂いから察するに、誰が何と言おうがカレーだろう。
まぁ、どういったカレーなのかはさておき。

「ああ、カレーだ」

まぁこの際、カレーがどういったカレーなのかという質問は置いておく。
その前に、どうしてカレーなんてチョイスしたのだろうか。
それも、目の前に白いワンピースを着た乙女(?)がいる前で。

「ん、カレーは嫌いだったのか?」

「ううん、嫌いじゃないけど……」

……やっぱり、これ私の分なんだね。
いくらなんでも、これは非常識だと思う。
まぁ確かに、彼も私と似たような境遇だったから、そういった女性との経験なんかが無いのは十分承知してるんだけど。

「ん、どうした? 言ってくれないと分からないのだが……」

私の様子を見かねたのか、彼が声を掛けてくれる。
なんというか、そんな顔でじっと見つめられたら、文句のひとつも言いにくくなってきちゃうよ。

「ん、そのね。あの……」

でも、やっぱりここは言うべきだよね。
彼のためにも。そして、私のためにもっ!

「あ、あのね。その、私の我侭だから怒らないでほしいんだけど……」

「ん、ああ。で?」

「あ、あのね……その……。今私、白のワンピース着てるんだ……」

「ん、そうだな」

「えっ? な、何も感じないの?」

「ん、何を感じるんだ?」

「えっ、だって、汚れたら目立つんだよ? 白だし」

「ん、そうだな」

駄目だこの人、女心どころかマナーさえも欠片一つ理解してない。

「もういいです……はい。それで用件なんだけど」

「ん、やっと本題か。わざわざこんな所にまでオレに会いに来たってことはそれ相応の用事があるんだよな? 言ってみろよ」

覚悟を決める。
そう、私は彼と会ったときに決意したのだ。
私も、貴方みたいに――。

「わ、私もね……ハンターになりたいのっ! ヴァンパイア・ハンターに!」

その瞬間、体の奥底から何かが抜け出したかのような脱力感を味わった。
なんというか、緊張の糸が切れたって言うのかな。
最初、彼は私の顔をじっと見つめたままだった。
多分だけど、私の言葉の意味を理解していなかったんじゃないかな?
だからもう一回伝える。今度こそ、理解してもらうために。

「私もね、ヴァンパイア・ハンターになりたいの」

「えっ? マジで?」

「うん、マジで」

そう言うと、彼はテーブルに膝をついて頭を抱えていた。
どうしたのだろう、何か悪いことでも言ったのかな。
別に至極普通のことだと思うけど。

「あ、そうか。そういうことか。まぁそうなるだろうとは思ってたけどさ」

何故か一人で納得しているようだ。
一人で解決するのは無粋だと思うのは私だけではないはず、きっと。

「分かった。お前の気持ちは理解した。後日、この件に関しての回答を言い渡そう。ではこれで」

「あ、待ってっ!」

「どうした?」

「お前じゃない、私は、鬼崎汐里よ」

「そうだな、分かった。汐里、数日後にまたここに来てくれ」

そう告げると、彼は頭を悩ませながら去っていた。





数日後、彼からの連絡があり、私は急いで彼の待つハンター協会へと向かった。
そして再び食堂で待たされて数分、彼がやってきた。

「よぅ、急に呼び出して悪かったな」

「ん、いいよ。暇だったし」

実はこれ、嘘。
今日は連日の仕事で汚れた部屋の掃除が仕事だったのだが、適当に事情を言って早引きしてきたのだ。
まぁ雇い主は、微妙な顔をしていたが、この際気にしないことにする。

「そうか。で、早速なんだが先日の件でちょっと話があってな」

その言葉に、心臓の鼓動が早まった気がする。
緊張しているのが分かる。ほら、手だってこんなに震えているし。
例えるなら、初めて女性としての威厳を捨てた夜みたいに。

「まぁ結論から言うと」

ごくりと生唾を飲み込む。
それに増して心臓の鼓動が早くなる。

「お前を、ヴァンパイア・ハンターとして雇うことにしたから」

え? 今彼、何ていったの?
ちょっと聞き取れなかったので、もう一度聞いてみた。

「だから、お前を雇うって言ってるんだ」

「えっ? 本当?」

「何回も言わすなよ。雇うって言ってんの」

その言葉に、私の中の何かが弾けたような気がした。
そして気がついたら、無我夢中で彼を抱きしめていたのだ。

「あ、あのさ。嬉しいのは分かったんだが、こう抱きしめられるとさ、その……胸の辺りの柔らかい何かがオレに当るんだけどさ」

頬が紅くなり、すぐさま彼から離れる。
緊張の糸が切れたからって、無意識にこんな行動をするとは思わなかった。
うぅ……今めちゃめちゃ恥ずかしい。
彼にも、ちょっと子供っぽいって思われたのかな?
そんな私の様子など知らぬように、彼が言葉を続ける。

「で、汐里を雇用するってことで。これ」

すると、彼から一枚のプリントを手渡された。
えっと……ハンター雇用手続き?

「要は、死んだときの責任だとかハンターとしての仕事だとかそういう内容が書いてある。後、一番下の欄にサインを頼む」

彼に言われるがまま、一番下の欄を見る。
そこにはサインを記入する欄と、それに関する説明が書かれていた。
とりあえず、適当にサインを書いておくことにした。

「よし、これで手続きについての話は終わりだ」

ふぅーと深く溜息を吐く。
なんとなくだが、肩の荷が軽くなったようだ。
これでやっと一段落ついた、と思っていたが――。

「んじゃあ、これからお前の泊まる部屋の案内と、それから体力テストを行う。これからが本番だぜ?」

なんだか嫌な予感がする。
あの彼からは想像できないような、嫌な笑みが零れている。
これから私は一体どうなるのか。
それを身をもって体験することになったのだ。


                 To be continued...


次回→AD少女たちの過去編 『兄弟の烙印』
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コメント
この記事へのコメント
汐里とゼロが実は兄妹、とかだったら面白くありません?w


ゼロが現実界にかえる可能性はとかあるんですか?
2011/04/24(日) 23:52 | URL | 読者7479号 #-[ 編集]
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