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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『異世界へと誘う者』

前回→AD少女たちの過去編 『兄妹の烙印』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ

オレたちハンターは基本的にハンター協会の寮に住むことが義務付けられている。
基本的にそのルールに則るのだが、オレは違った。
近場のマンションの一室に住んでいる。
理由としては、ハンター協会の保護を必要としないほどの実力は兼ね備えているし、
何よりハンター協会が戦場となった際に対応しやすいからだ。
それもあるが、単にオレが独りで気楽に過ごしたいだけだったりする。
今こそは汐里と同居生活を送っているが、昔は独りだった。
今みたいにパソコンがあるわけでもなかったので、仕事のない日は基本的に鍛錬をする日となっていた。
いつ死んでも後悔しないように、毎日を過ごす。
オレたちの教訓のひとつであり、オレの座右の銘でもあった。
汐里とオレが兄妹の杯を交わしてから、オレの生活は変わった。
今まで色のなかった質素な世界が、色鮮やかな世界に染まったのだ。
一人明るい色が入ることで、ここまで生活が変わるなど誰が予想できたのだろうか。
二人で出歩く毎日は常に新鮮味に溢れていた。
ふと見つけた花屋のチューリップ。
真っ赤に染まったその花弁を、彼女は好奇心の瞳で見つめている。
その横顔を見るのが、結構楽しかった。
時々、悪戯をしてみたくもなった。
気配を消してそっと近づいて、耳元にふっと温かい吐息をかけてやるのが楽しかった。
頬を真っ赤に染めて、異次元の単語を叫ぶ彼女を見て、腹の底から大笑いしたときもある。
全てが新しかった。毎日が新鮮だった。
これが一般人の日常なのだと、これがオレたちが護ってきた人たちの世界なのだと改めて知った。
そんな世界に自分も入りたかった。
受け入れてくれるかなんてどうかは知らない。
だからこそ、新たな世界に足を踏み入れたかった。
そんなオレの些細な願いは、別のベクトルに働いてしまったのだった。

ある日のこと。
汐里はいつもどおり、仕事へと出かける。
彼女は今日の二十二時から仕事の依頼が入っている。
汐里は実力こそはオレに近いものがあるが、立場上は新参者だ。
だから、身分相応の仕事が用意される。
彼女の今回の仕事は、区画掃討だ。
簡単に言うなら、ある街のビルなどに巣食う吸血鬼を掃討する、そんな仕事だ。
危険もあるが、Angel Down――吸血鬼にしか効果のない身体強化系の麻薬――を使った化け物が出てこない限りは簡単な仕事である。
彼女はベレッタをジャケットのポケットにしまい、玄関を開ける。
オレはパソコンの画面を見ながら、彼女と話す。

「兄さん、私がいない間、変なゲームやらないでよ」

「変なゲームってなんだよ」

「……えっちなゲーム」

「やるか、んなもん!」

「じゃあやってたら何してくれる?」

「そうだな……1日お前の奴隷になるのはどうだ?」

「いいよ」

「いいのかよっ! もっと突っ込むところがあるだろっ!?」

そんな些細な日常の他愛のない会話。
オレは妹(汐里)とこんな他愛のない会話ができることを、心から喜んでいたのだ。

「じゃあね、兄さん。今の言葉、覚えておいてよ!」

「マジかよ……へいへい。留守番は任せとけ」

ガタンと鉄の扉が閉まる音が部屋中に響き渡る。
色の無くなった世界を眺めながら、オレはひとつ溜息を吐いた。






午前二時ごろ、汐里はまだ帰宅してきていない。
そしてオレは、東方projectの『東方紅魔郷 ~ the Embodiment of Scarlet Devil.』という弾幕STGのゲームをクリアできないことで頭を悩ませていた。

「あぁー! また当たっちまったっ! こんなん躱せるかっ!」

勢いのまま、パソコンの画面に殴りかけようとする。
だが、寸前のところで理性が答えた。

「落ち着け、落ち着けオレ。このまま八つ当たりしてたら、画面が一刀両断されていたところだったぞ」

「これ買うの結構高けぇんだから、安易にぶっ壊さないようにしねぇとな」

背もたれの深いソファーにずっしりと座り込み、呼吸を和らげる。
二、三回深呼吸を繰り返して、少し身体が落ち着いてきた。
だが、ゲームに挑戦する気分にはとてもなれそうにはなかった。

「はぁ……、駄目だ今夜は、頭冷やそう」

髪を掻き揚げ、頭を擦る。
首を一回転させて、肩の筋肉を軽く揉む。

「ふぅ……」

再び溜息を吐く。
そしてふとある考えが思いついた。

「そうだ、ニコニコ動画で攻略動画を見ればいいんだ!」

そう思い立つと早速インターネットを開いて、キーボードを叩く。
沢山の動画の山から、目的の動画を見つける。

「よし、これだ。東方EX攻略講座」






動画を見始めてから数分後、オレはただ黙々と画面を見つめ続けていた。

「ふぅん……なるほど……ね」

どうでもいい話なのだが、このEXに出てくるボスキャラ。
名前は、フランドール・スカーレットという。
金髪で少し幼いところが、何というか汐里とそっくりなのだ。
そっくりというか、容姿だけ見たら本当に瓜二つなのだ。
なんでだろう、汐里をモデルにしたのか? この作画を担当した人は。

「あー、こんなところに安地あったのかー。なんだよ、めっちゃ簡単じゃねえか」

そんな時、ふと欠伸が出た。
時刻を見ると、ちょうど日付が替わったところだった。
先ほどの動画は、いつの間にか時報に切り替わっていた。

「もうこんな時間か」

同時に睡魔が襲ってきた。
本来ならこの時間は集中力が高まるのだが、今日は午前三時から仕事が入っていたせいで疲れが溜まっていた。
故に、本能的に睡魔に身を寄せようとする。

不意に嫌な胸騒ぎを感じた。
それは、仕事に行っている汐里に対してのものだったのかどうかは分からない。
ただ、形容し難い違和感が彼を襲ったのだ。

「?」

辺りを見回すが、違和感に近いものはどこにもない。
あるはずがないのだ。先ほどまでずっと一人だったはずだから。

「気のせいか」

そう呟き、再び画面の前に没頭する。
オレがヘッドフォンを通して聞いているのは、東方projectの作品のひとつ、
『東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.』の登場人物、八雲紫のテーマ曲『ネクロファンタジア』である。
ここ一週間、オレは寝る前にこの曲を聞いていた。

開幕早々、テンポの激しい曲が耳に流れる。
寝る前に聞くには眼が覚めてしまうような曲などで可笑しいと思うが、無意識のうちに聞いてしまうのだ。
まるで、誰かに操られているかのように。

無言のままその曲に耳を傾ける。
しばらくすると、心地よい気持ちよさが身体を襲ってきた。
それが睡魔だと理解する前に、オレの意識は深い奈落の底に落ちていったのだった。


                        To be continued...

次回→AD少女たちの過去編 『切り裂きジャック』
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