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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『狩人とスキマ妖怪』

前回→AD少女たちの過去編 『幻想に消えた狩人』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ


オレは今、紫に連れられて彼女の屋敷に訪れていた。
旧世代の遺物と思わせるような古風な屋敷。
そして純和風を思わせるかのような数々の品々。
まるで江戸時代にでも迷い込んだかのような錯覚を感じる。

「流石幻想郷だ。常識に囚われてはいけないんだなっ!」

「何言ってるの? 貴方」

「いや、つい」

「ついって何よ」

目の前には先ほど会ったスキマ妖怪、八雲紫がいる。
彼女はこの幻想郷と外の世界の境界を管理する妖怪で、幻想郷で最強とも呼ばれる妖怪である。
また、幻想郷に存在する妖怪の中でも最も古い妖怪とも呼ばれる。
その少女みたいな顔つきから見ても、とてもそんなお歳を召した方とは思えないほどの美しさ、だから常識に囚われてはいけないんだな。

「今、軽く失礼なこと考えてたわね?」

視線を鋭くしながら、オレを睨む。

「なんで分かったんだよ」

「顔に書いてあったわよ」

「書いてねぇよ」

だがここは幻想郷。常識という枠にはめ込んではいけない。

「本当に書いてないよ、な?」

「さぁ? 鏡でも見てみれば?」

本当、うさんくさい妖怪だ。オレが言えた義理じゃないが、友達減るぞ?

「失礼ね、まだ少しはいるわ」

「図星かよ」




厠(かわや)で自分の顔を確認し、先ほどの部屋へと戻る。
紫の姿を確認し、本題を切り出す。

「で」

「で?」

「なんでオレをここに連れてきたんだ?」

「ああ」

ポンっと手を叩き、驚きの表情でオレを見つめる。

「何、今思い出したかのような顔でオレを見てんだ」

「いやぁ、ね?」

「図星かよ」

一瞬だが、彼女の身体に棘みたいなものが突き刺さったのをオレは見逃さなかった。
なんだ今のは? アレか? 心の棘か?

「貴方を呼んだのは他でもないわ」

「まぁそうだろうな、わざわざ外の世界の住人であるオレを呼ぶほどのことだし」

というより、今はまずその棘の正体を知りたいのだが。
この人何事もなかったかのようにスルーしてるし、いきなりシリアスな場面に入られても困るだろ普通。

「貴方に、ひとつやってほしい仕事があるの」

「それは、オレがヴァンパイアハンターと知っての仕事なのか?」

「ええ」

胡座(あぐら)をかき、首をゆっくりと回す。
ポキッ、ポキッと景気の良い音が耳に届く。

「で、なんだよ? その仕事ってのは」

「ええ、その仕事ってのは……」

ごくりと唾を飲み込む。
そして彼女のその重い口が開かれる。

「貴方には、フランドールの家庭教師をお願いしたいの」

その一言を聞いたとき、オレは唖然とした。
今まで力みこんでいたのに、すっかり肩の力が抜けてしまうほど。

「ハッ? 家庭教師?」

「ええ、家庭教師」

その刹那、沈黙という空気がお互いの間に流れる。

「どうしたのよ? いきなり黙って」

「どうしたのよ、じゃあねぇよ。なんだよ家庭教師って。そもそもなんでフランなんだよ」

「オレがヴァンパイアハンターだってことは知ってるんだろ? なんだよ嫌がらせか? オレが未だに東方紅魔郷EXをクリアできないことへの嫌がらせか? そうなんだろ、おい」

「いえいえ、違うわよ。別に嫌がらせってわけじゃないわ」

「じゃあなんだよ?」

「貴方、フランドールのことは知ってるわよね?」

「まず、疑問形を疑問形で返すな。ああ、で?」

「フランドールのことをどこまで知っているの?」

「ん、まぁ悪戯好きで情緒不安定でちょっと力の加減ができない幼女ってことくらいか」

「そう、まぁ大抵の人はそんなもんよね」

「まぁそうだな」

適当に相槌を打ちながら、彼女の本心を探る。
彼女はオレにフランのことを尋ねた。
そしてオレはありきたりな回答を返した。
だが、これにはおそらく彼女が求めている答えはないはずだ。
彼女が一体何をオレに求めているのか。
つまり、それがすでにオレに備わっているから、オレに家庭教師を任せたいというわけで。
何を求めているんだ、このオレに。

「はぁ……」

そんなオレの様子に飽き飽きとしたのか、彼女はひとつため息を吐く。

「じゃあ少し昔の話をしてもいいかしら?」

「ん、ああ」

――なんだ? 唐突に。

オレは疑問を頭に浮かべながらも彼女の話に耳を傾けることにした。

「昔々あるところに、ある吸血鬼の一族が住んでいました」

その吸血鬼の一族は、「紅」の名を冠する高貴な一族でした。
当然、生まれてくる子供も高貴な子供が常識ですよね。
一人目、二人目とともに、その名に恥じぬ優秀な子供が産まれ、両親は満足していました。
だけど、三人目に産まれた子供は、いわゆる普通の子供ではなかったのです。
三人目は、「羽なし」と言われる先天性の病気に掛かった子供だったのです。
羽が無い吸血鬼なんて恥さらしだと考えた両親は、その子供を地下深くの牢獄へと閉じ込めてしまったのです。

「酷い話だな。まぁでも実際、よくある事例だったと聞いているが」

「貴方の世界ではそういうのが日常的な世界だったわね」

「ああ、で? そのテンプレみたいな話の続きを聞かせてくれ」

「そうね。でも彼女は孤独じゃなかったの」

彼女は実の両親にさえ忌み嫌われた存在となりました。
でも、彼女を慈しむ存在が二人いたのです。

「先に生まれた二人の姉か」

「そう、正解よ」

「なんとなく話の筋が読めてきたぞ。オレの勘だと、二人の姉のうち一人が、レミリア・スカーレットで、その羽なしってのはフランドール・スカーレットか」

昔、なんかの書物で読んだことがある。
吸血鬼の羽は魔力の供給源なんだと。
レミリアに生えている羽は、確かに吸血鬼の羽だ。
だがフランの背中に生えているのは、あれは吸血鬼の羽じゃない。
おそらくは、何か魔力を供給する代用物だろう。
なんでフランにだけそんなものを付けるのか。そして姉妹なのになんでフランには羽がないのか。
この二つの疑問が一気に繋がったことで答えが見えたのだ。

「そうよ、そのとおり。貴方意外に頭の回転が速いのね」

「褒めてないように聞こえるが、褒め言葉として受け取っておこう」

「んで、その後はどうなったんだ? 続きを聞かせてくれ」

「そうね、分かったわ。その続きはね……」

二人の姉にとっては、やっとできた妹です。
例え羽なしであろうと、彼女らにとってはどうでもいいことだったのです。
彼女たちには、妹であったのですから。
彼女たちは両親に内緒でこっそり妹と遊んでいました。
日が暮れるまで、楽しんでいました。
だが、そんな幸せも長くは続きませんでした。
彼女らの両親がそのことに気づいたからです。
両親はすぐに羽なしを殺そうとしました。

「だけど、その両親は殺されてしまった。そんなオチか?」

「あら、よく分かったわね。というか、さっきからネタバレしないでくれる? せっかくの良い台詞が取られたみたいで嫌になるから」

「そりゃ悪かったな。で、殺ったのは誰だよ?」

答えは三択。
レミリアか、それともフランか、もしくは名前を知らない姉か。
展開としては、フランを虐待もしくは殺そうとしている両親の姿を見てキレたというのが大抵のパターンだ。
だからこそ、この三択になる。
可能性として高いのは情緒不安定なフランだが……。

「そうね。正解から言うと、フランじゃないわ」

「ん、じゃあ誰だ? まさかレミリアか?」

「違うわよ。もう一人いるじゃない」

ということは、答えはもう一つしかない。

「そう、歴史の流れには登場していないもう一人の姉」

「イリス・スカーレットよ」


             To be continued...

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