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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『狩人と門番』

前回→AD少女たちの過去編 『狩人と式神』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ



懐から煙草の包みを取り出し、一本取り出す。
ライターで火を灯して、口に銜える。

「ふぅ……」

思いっきり吸い、思いっきり吐く。
それが煙草の美味しい吸い方なのだ。

「あのぉ……目の前で吸うのやめてもらえませんか? 臭いので」

どうやら目の前の中華娘は困っているようだ。
それもオレの煙草が原因らしい。

「ん、ああ。悪い悪い」

火のついた煙草を地面に放り投げ、そのまま足で踏み潰す。
残るのは苦い後味と灰だけだ。

「さて、と」

ひとつため息を吐き、目の前の少女を見る。
紅色の艶のある長い髪に、中国を思わせるようなチャイナ服。
そして龍の紋章が象られている緑色の帽子。
彼女を、紅美鈴(フォン メイリン)だということを物語っていた。

「やっぱりここを通してはくれないのか?」

「ええ。貴方みたいな人は信用できません」

「おいおい、これでもあの八雲紫から依頼された仕事だぜ」

「だからこそ信用できないんですっ!」

ここまで信用されていない彼女は一体……。
まあ自業自得だとはいえ、なんだか可哀想な子に思えてきた。

「まぁでも、こっちも仕事なんでね。依頼人が怒り狂うまでには終わらせないと不味いんでね」

「そっちの事情は分かるが、通してくれ。頼む」

彼女は拳法の使い手。それに加えて彼女は妖怪だ。
人間であるオレが対等に殺り合えるとはあまり思っていない。
それに説得が通じなさそうなメイドに吸血鬼もいる。場合によっては、図書館に住む魔女も敵となる。
そんな奴等が待ち受けているからこそ、ここはなんとしても戦闘になるのは避けたいところなんだが。

「無理です。第一貴方みたいな人を通してしまったら、私が殺されますよっ!」

彼女もどうやらオレと同じ境遇らしい。
ならお互い退くわけにはいかない。

「しょうがない。だったら、力づくで通らせてもらおうか」

「望むどころです」

お互いの視線が交差する。
その瞬間が、死闘の始まり。

「いくぞ、中華娘」

「来なさい、人間」

先手はまずオレ。
懐よりデザートイーグルを取り出す。

「どうせ見たことねぇだろうから後学のために教えといてやる。こいつは銃っていうんだ」

「こうやって敵に向かって構えて」

狙いを定めて、引き金を引く。

「殺意を込めれば、弾幕が飛び出てくるんだぜ」

別に殺意を込めなくてもいいが、殺意がないと人の形をしたものは撃てない。
一発、二発と銃口から火を吹く。
デザートイーグルから放たれた44マグナム弾が牙を裂く。

「遅いッ!」

それを彼女はただ躱す。
彼女にとってはおそらく未知のもの、躱すことは大体予想できた。
だからこそ、躱した後の彼女の動きはもうすでに読めているのだ。

「もらったッ!」

一気に接近して左手にナイフを構える。
この距離なら、躱すことは難しい。
故に当然の如く――。

「くッ!?」

彼女は当然のように防御の構えをする。
防御の構えをすることで、こちらが一気に攻められる距離まで移動することができる。
だからこそ、零距離から銃を構えることができる。

「こいつはサービスだ。ありがたく受け取れよッ!」

至近距離からマグナム弾が放たれる。
獣のように牙を裂き、唸りを上げて直進する。
この距離はたとえ妖怪だろうが躱すことなどできない。
これはオレの今までの経験上からの想定だが。

「……ッ!?」

だからこそ、この一撃を耐えるとは思ってはいなかったのだ。

「流石は妖怪だな。丈夫な身体のようで」

「そうでもないですよ。今の弾幕は結構危なかったですから」

そう言いながら、美鈴は身構える。
お互いとも手を伸ばせば相手の身体に触れるほどの距離。
つまり、肉弾戦を主体とする彼女にとってこの距離はもはや攻撃範囲だ。

「ちっ!」

舌打ちをし、すぐに後方へとステップする。
だが当然のように彼女が易々と見逃すはずがない。
だからこそ、距離を取りつつ牽制を行うしかできない。
デザートイーグルを再び構え、引き金を引く。
それと同時に、彼女の拳が空を切り裂く。

「喰らえッ!」

「喰らいなさいッ!」

お互いの咆哮が重なる。
息をする暇さえないほどの死闘が、ついに幕を下ろそうとしていた。
オレの放ったマグナム弾は彼女の肩を撃ち抜き、その反動で彼女の身体を若干後退させた。
それもあってか、彼女の拳がオレの腹に入るのだけは避けられた。
ただ直撃は避けられたとはいえ、掠ったのは事実であり覆すことはできない。
無論掠っただけでも、今まで経験してきたような死の恐怖を蒸し返すほどの衝撃は味わった。
だが相手も同様である。至近距離でマグナム弾を喰らい怯んでいる。
つまり、今が最初で最後の好機(チャンス)。

「これで、終わりだ」

これで決める。決めないと、殺られる。
だからこそオレは、今この瞬間で最も効率の良い攻撃をすることにした。

――鬼崎流 陽の業 その壱

鬼崎流。
汐里の家で代々受け継がれてきた対吸血鬼用の格闘技。
吸血鬼と対峙する上で、あらゆる状況を想定して練られた技はどれも天下一品の性能(スペック)を誇る。
十個ある技の中でオレはまだ二個しか会得していなかったが、それでも役に立つときがきたのである。
これだけでも、学んだ甲斐はあるというものだ。

「鎌鼬(かまいたち)」

一気に距離を詰めて、相手の身体のいたるところに拳を叩き込む。
目や鼻、口、喉、胸、腕、手首、腹など。息をつく暇さえ与えないほど、数え切れないほどの拳を叩き込む。
そしてその速度を利用して回転し、遠心力を上乗せして相手の頭部へ踵を叩き込む。
この技は、一度嵌まったら二度と抜け出せない蜘蛛の巣を作り出すのだ。

静寂が辺りを包み込む。
殺し合い(たたかい)はすでに終決していた。

「流石は紅美鈴。伊達に門番はやってないと見えるな」

最後の踵落としをまさか両腕で防御するとは思ってもみなかった。
当然のように両腕は骨折し、その反動で彼女は気絶していた。
恐らく、脳震盪でも起こしているのだろうか。
流石に殺す気などまるでなかったので、彼女を安全な日陰まで運び水をかけてやった。
しばらくの間は意識が戻ることはないのは明白だ。

「悪いな、美鈴。用事はすぐに終わらせるんで、暫く休憩でもしといてくれや」

オレは彼女にそう呟くと、門番なき紅の門をゆっくりと開けていったのだった。


                 To be continued...

次回→AD少女たちの過去編 『狩人と瀟洒なメイド』
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