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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『狩人と紅の吸血鬼』

前回→AD少女たちの過去編 『咲夜の世界』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ
今、オレの目の前には彼女が出してくれたケーキがある。
目玉のように白い球体に血のように紅いソースがかかったケーキ。

「それ、さっき取ってきたばかりですから、新鮮なんですよ」

にこりと微笑みながらそう言う彼女の名は、フランドール・スカーレット。
オレの生徒第一号だ。






事は、少し時間を巻き戻す必要がある。
これは、オレがレミリアと咲夜に敗北した後の話である。

「で、ここに何しに来たのよ?」

気だるそうに問いを投げる。
その質問の答えはすでに何度も言っていたのは気のせいではないはずだ。

「だから、あんたの妹さんに用があるって言ってんだろうが!」

「私なんかじゃ嫌だって言うの? 人間の癖に」

「誰だお前」

「お嬢様、はしたないですよ。そういう台詞は18歳になったら言いましょうね」

「……私、その何倍も生きてるんだけど」

「つか、なんか話ずれてないか?」

一つ溜息を吐く。
その度に諦めに似た感情が心の奥底を動かしていた。

「んだから、オレはフランの家庭教師として着てるわけで、そこは紫も了承済みなんだよ。つか、あの人が依頼してきたからな。ということで、とっととフランのところに案内してくれないかと、さっきから申してるわけなんだが」

「そういわれましても、当館は男子禁制でございまして」

「……どんだけその設定引っ張るつもりなんだよ」

再び溜息を漏らし、椅子にどんと深く腰掛ける。
そして懐から煙草を一本取り出し、火を点ける。

「……」

シュッと風を裂く音が耳に届く。
気づいたときには、煙草はただの藻屑と化していた。

「って、おいッ!? 何してくれんだよ咲夜」

激昂するオレに対して、涼しげな顔で話す咲夜。

「先ほども申した通り、当館は全館禁煙となっております。ご了承下さい」

「納得いかねぇ……。なぁお前、そんなにオレのことが嫌いか?」

「ええ、嫌いです」

満面の笑顔でさらりと辛辣(しんらつ)なこと言いやがったよこのメイド。
おかしいな。いくら出会って早々ちょっと殺し合いしただけなのにこの態度かよ。おかしいよな。

「よぉし決闘だッ! 来いメイドッ! さっきの続きといこうじゃねえか!」

「望むところです。お嬢様と妹様に害を与える病原菌はここで排除しておかなくてはいけませんからねッ!」

「だから待ちなさいよあんたたち」

「うるせぇ!」

「ちょっと静かにしてもらえませんか? お嬢様」

二人の咆哮が重なる。
二人の想いはただひとつ。

――こいつをここで殺すッ!

再び二人の間に殺気と邪気に満ちた空気が流れ出す。
背中に冷たい汗が流れる。
お互いとも、ただただ相手の動きひとつひとつに注意を向けていた。
肉を求める野獣のように、研ぎ澄ました視線で獲物を睨みつける。

「ストープッ!」

そんな空気を一瞬で乱す者が現れた。

「あんたら、ここが誰の家か分かってるの?」

「はっ? んなもん今は関係ねぇ――」





「すいません。調子に乗りすぎました」

「分かればよろしい」

全身に複数の打撲。そして頭部から垂れ落ちる血。
目の前の吸血鬼にこっ酷くやられてしまった。

「咲夜、貴女は?」

「すみませんでした、お嬢様」

「そう、分かればいいのよ」

彼女もオレと同じく、全身に沢山の傷を作っていた。
だがどれも掠り傷が多い。特に顔にはそれといった傷は見当たらない。
なんなんだよ、この差別は。男尊女卑じゃなくて女尊男卑なのか?

「で、いい加減に会わせてくれねぇか。フランに」

オレの言葉に困った様子のお二人方。
いい加減腹を括ってくれないとオレもプロとして立つ瀬がなくなる。

「本当に会う気なの? 貴方」

「当たり前だ。それにもういい加減名前で呼んでくれねぇか?」

「分かったわ、ゼロ。あの子に、会わせてあげる」

目の前の吸血鬼はなんだか深刻そうな顔をしていた。
その表情は、諦めというより嘆きに似ていた。
例えるなら、戦場に赴く夫を見送る妻の顔だ。

――なんでたかがフランに会うだけで、姉貴がこんな顔をしなくちゃいけなんだよ。

内心不安になりながら、彼女に尋ねた。
そんなオレの様子に気づいたのか、彼女は優しくこう言った。

「大丈夫よ。多分五体満足で帰ってこれないだけだから」

今でも彼女のその聖女マリアのような満面の笑顔を覚えている。
だからこそオレは思う。
純血の吸血鬼は、オレたちが思っている以上に、悪魔なんだということを。


                To be continued...


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