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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『スカーレット家』

前回→AD少女たちの過去編 『狩人と金色の吸血鬼』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ








今から数百年以上昔のルーマニアのトランシルヴァニア地方にあるトランシルヴァニアアルプス山脈の奥地に、
吸血鬼の一族が住む村があった。
そして、その村を支配していたのは、スカーレット家という名門貴族の一族であった。
スカーレット家。「紅」の名を冠する高貴な一族である。
そして、そのカリスマ性と魔力で周囲の吸血鬼を統制していたのだった。

北風が頬を伝う季節になった頃、
名門スカーレット家に、新しい子孫が誕生した。
名はイリス。
銀色の髪色と吸血鬼の羽の種類の中でも、代々受け継がれている『漆黒の翼』を持って産まれた少女であった。
その魔力はスカーレット家歴代最大の魔力を兼ね備えていた。
そのため、スカーレット家次期当主として一族から有望されていた。

イリスが誕生してから五十年後、スカーレット家に二人目の子孫が誕生した。
名はレミリア。
青色の髪色と、身の丈ほどある巨大な羽が特徴の少女であった。
魔力自体はイリスには劣るものの、スカーレット家歴代最大の魔力を兼ね備えていた。

そして、レミリアが誕生してから五十年後、
スカーレット家に三人目の子孫が誕生しようとしていた。
スカーレット家歴代最大の魔力をもって生まれてきたイリスとレミリアのいるので、
一族は、三人目の子供に更なる期待をしていた。
だが、期待はすぐに裏切られることになった。
三人目に生まれてきた子供は、「羽なし」であった。

「羽なし」

それは、吸血鬼の象徴ともいえる羽を持たずに生まれてくる子供を指す。
吸血鬼の一族にごく稀にそういった子供が生まれてくることがある。
吸血鬼の羽は、空を飛ぶこと以上に重大な役割がある。
それは、魔力である。
吸血鬼の羽は、いわば魔力の源。
羽がないと、魔力が急激に落ちて、貧弱となってしまうのである。
そういった吸血鬼は、一族から恥さらしと呼ばれ、家族にさえ忌み嫌われてしまうのであった。
特にそれが名門と呼ばれるスカーレット家から産まれたのであればもってのほかであった。
その少女は、名を与えられることもなく、すぐに地下の牢獄に幽閉され、
一生表には出られないようにしたのであった。

そうして一族から忌み嫌われたのだったが、二人だけ彼女を愛しく思う者がいた。
それは、イリスとレミリアであった。
彼女たちは、自分たちの実の妹だったので、
時々こっそりと地下の牢獄に足を運び、その少女の遊び相手をしていた。
そうした時間は、彼女たちにとって最も幸せな時間だった。
だが、その時間もすぐに奪われてしまうのであった。

彼女たちが地下の牢獄に足を運んでいることが両親にバレたのだった。
両親はすぐに少女を殺そうと決断したが、あるひとつの悪魔の考えを思いついたのであった。
それは、イリスとレミリアの前で、少女を散々拷問したうえで、残虐に殺すというものであった。
すぐにイリスとレミリアは捕まえられ、少女のいる地下の牢獄に連れて行かれたのだった。

彼女たちの視線には、傷ついた金髪の少女が。
彼女たちはすぐに両親を説得しようとした。
だが、両親は耳を貸さないまま、数々の拷問を行っていった。
彼女たちの声が悲鳴に変わるまで、時間は掛からなかった。
やがて、虫の息となった少女の頭を掴み、その儚い命を奪い取ろうとした矢先、
イリスの心にある変化が訪れた。

なんでお父様はあの子の頭を掴んでいるの?
なんでお母様はあの子の苦しむ顔を見て笑っているの?
おかしいよ。でも、おかしいのはあの子じゃない
あの子を取り巻くこの世界だ
あの子が、自分たちが幸せになれないのなら

「こんな世界なんて、いらない!」

そんな彼女に心の中から囁く悪魔の声が聞こえた。

――ソウダ。ナラ、コンナ世界ナンテ壊シテシマエバイイジャナイカ。

壊すの?

彼女はその声に問う。
後にこの声の主が漆黒の羽をもつ最悪の吸血鬼だということを知った。
だが今の彼女には何が正しいのかも何が間違っているのかも分からなかった。
だからその声――狂気――に従うほかなかった。

――アァ。ソレガイチバン正シイ方法ダ。

そうだね。貴方の言うとおりだよ。
全テ跡形モ無ク壊シテシマエバイインダカラ、ネ?

イリスの体内から力が漲ってきた。
その力は彼女の体内だけでは満足できず、体外にまで溢れ出た。
その影響で、彼女を拘束していた鉄の鎖は朽ち始め、原形さえも留めることができなくなった。
鎖による拘束が破かれたイリスは両親を見つめていた。
その時の彼女の瞳には、燃え盛るような憎悪しか映っていなかった。
どんな剛胆な者にも、その時の彼女の瞳を直視することはできないだろう。
嵐のような殺気が彼女の身体を蝕んでいたからだ。

「ネェ、オ父様、オ母様」

その狂獣の如き眼差しに睨まれたら最後、跡形も残らない。
その狂気が、彼女を『漆黒の翼』の後継者として選ばれた証拠だった。
故に、二人がこの後どういった末路を辿るのか容易に予想することができた。
それは――。

「死ネ」

断頭台へ連れて行かれる未来だった。






魔女として人々から忌み嫌われていたパチュリー・ノーレッジの家に、三人の少女が訪れていた。
パチュリーは玄関の扉を開いて、少女たちの姿を見る。
少女たちの姿を見たときに、パチュリーは唖然とした。

一人の漆黒の翼をもつ少女は、服に大量の血が付いていた。
だが、驚くべきところはそれだけではなかった。
右手には抉り取ったとも思える女性の吸血鬼の羽が2枚。
少女はパチュリーを見つめ、こう言った。

「魔法使いであるパチュリー・ノーレッジにお願いがある」

リーダーと思われる銀髪の少女が話しかけてきた。

「何かしら?」

銀髪の少女に問う。

「この子に、この羽を移植してはくれないだろうか?」

その言葉を聞いて、少しの時間黙った。
そして、再び口を開いた。

「いいわよ。まぁ……とりあえず、三人とも中に入りなさい」

三人の家に入れた後、早速手術の準備に取り掛かった。
そして、数時間後、無事移植が成功した。
移植自体は比較的容易なことであった。
だがそれが魔力の源にはならなかった。

彼女たちはそれでも満足していた。

もう「羽なし」と呼ばれて虐められなくなった、と。

彼女たちが去ってから、パチュリーはしばらくの間、読書をしていた。
だが、すぐに読書をやめて、物思いに耽っていた。

イリスっていう子、どうみても吸血鬼とは思えないほどの異常な量の魔力を持っていたわ。
あの子がここに来る前にやったことは大体は想像できる。
恐らく、彼女は自らの手で他の吸血鬼を……。
あの子をあのまま放置することは危険すぎるわね……。

パチュリーは早速、荷物をまとめていた。
彼女たちのいる館、紅魔館に向かうために。


               To be continued...


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