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トップMapAngel Down 少女たちの過去編>『共鳴』

前回→AD少女たちの過去編 『死闘の果てに』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ








紅魔館を訪れてから、数日経ったある日。
少女が抱えるには明らかに無理がある量の荷物を抱える少女――十六夜咲夜―と出くわした。
その荷物の量を見て、女の子には任せられないと思ったオレは、咲夜を説得し荷物を運ぶ仕事を請け負った。

そして、やっとのことで目的の部屋に入ることができた。
部屋に入った途端、埃特有のキナ臭さが鼻の中へと伝わった。

「ちょ、掃除くらいしとけよな。まぁメイドがアレだから仕方ないのかもしれんが」

頼まれた荷物を置き、辺りを見回す。
何故か、どことなく懐かしい感じがした。

――なんだろうか、何故か前にもこの部屋に入った記憶が……。

「そうだ……確かに前にこの部屋に入ったんだ。で、どうしたっけ?」

記憶を遡ろうとするが、この部屋を訪れたことはかろうじて思い出せたが、
肝心の目的を思い出すことができなかった。

「そうだ! 確か……」

彼が紅魔館を訪れてまだ日が浅い頃。
彼は以前から興味があった屋敷の探検をしていた。
眼に映るものは、時代の流れを感じさせる道具や、美しい美術品の数々。
それは彼の好奇心を擽(くすぐ)った。
そうして色々な部屋を訪れながら、彼はある部屋を発見した。
フランの部屋とは反対方向にある、鉄の扉であった。

「?」

好奇心に従い、ゆっくりと重いドアを開ける。
灯りがなく、埃臭い部屋だったが、暗さに眼が慣れると、そこが倉庫なのだということが分かった。
彼は興味本位で部屋の中へと入り、部屋の中央へと歩いた。
そして、何もないことを確認して出口へ戻ろうとすると、1枚の床がギシギシと音を鳴らした。

「……この床だけぎしぎしと音が鳴っているな。下に何かあるのか?」

好奇心を覚えたオレは、早速そのための道具を漁り始めた。
見つけたのは、ツルハシだった。

「まぁいいだろこの際。バレても後で絞られるだけだしな」

ツルハシを床に振り下ろす。
その一撃で床は壊れ、中からはしごが見えてきた。
彼の予想通り、床にはしごがついており、下に降りられるようになっていたのだった。

「……降りてみるか」

恐怖よりも好奇心のほうが上回っていたオレは、梯子を降りることを選んだ。
それが後に、幻想卿に多大な影響をもたらすとは予想することさえできなかったのだった。




五分かけて梯子を降りきると、そこには壮絶な光景が広がっていた。
そこは、何の変哲もないただの牢獄だった。
だが、おかしい点がひとつあった。
その牢獄の中に一人の銀髪の少女が鎖で繋がれていた。
まるで、囚人とも言わんばかりに。

オレはすぐさまその少女を助け出そうとした。
だが、立ちはだかる鉄の檻を目の前に、成す術もなかった。

絶望に身を包んでいたところ、目の前の少女が目を開けた。
彼女の透き通った銀髪がかすかに揺れる。
そしてオレという存在を認識すると、僅かに吐息を漏らした。
その姿が、とても愛しく、また儚げであり、オレは棒立ちのまま彼女に見惚れていた。
彼女が鎖に繋がれている手を動かそうとする。
その行為に、オレは改めて現実を認識し、彼女の美しさに見惚れていた自分を恥じる。

「おいっ! 大丈夫か!?」

「私のこと?」

少女は無表情のまま首を傾げる。

「ああ、そうだよ! なんでお前はそんなところにいるんだ?」

「分からないの。ごめんなさい」

「……」

「……」

お互いが無言になる。
その間、オレは無い頭を絞って必死に考えていた。

何故、彼女はここに囚われているのか?

可能性としては2つ。

ひとつは、彼女がレミリアたちに対する敵だという可能性だ。
彼女が紅魔館に脅威を及ばす存在としてレミリアたちが彼女を捕らえ、人質としてここに拉致しているということだ。
それならば、彼女がここにいてもおかしくないし、オレもそういうことだったら、彼女を見なかったことにするだろう。
だが彼女の態度からして人質とは思えなく、またかなりの年月が経過していることも分かる。
いくら人質とはいえ、これだけ長い間拉致しておくのは些(いささ)かおかしな話である。

もうひとつの可能性として、彼女が元々レミリアたちの親族、もしくはそれに近い関係だということだ。
そして、なんらかの事情で彼女をここに閉じ込めておくしかなかった。
その仮説でいくと、彼女がかなりの年月をここで過ごしていてもおかしくない。

この二つの可能性のうち、一番しっくりくるのはやはり後者であった。
だが、何故ここに閉じ込められているのかが分からない。
第一印象で判断するのは危険すぎる賭けだが、オレの直感からして彼女は悪い人間――この場合は妖怪か――のようには見えない。
そして彼女の態度は、誰かに恨みを覚えているようにも見えない。
そして、自分が何故閉じ込められているかのも分かっていないらしい。
一体、彼女に何があったのか。
オレはそのことに疑問に思いつつ、彼女に尋ねた。

「なぁ」

「……なに?」

「お前は、どうしてここにいるんだ?」

「分からない」

「じゃあお前は、レミリアとフランドールという名の少女を知っているか? いや、覚えているかのほうが正しいか」

「……!」

彼女の唇が微かに揺れる。

「知っているんだな」

「……うん」

「あの子たちとは、どういう関係なんだ?」

「……」

再び彼女が押し黙ってしまった。
オレはひとつ溜息を吐くと、その場に座り込んだ。
その様子を、彼女はじっと見つめる。

「……なんか用か?」

「ううん、何も」

「そうか」

「……」

「……」

ジーンズのポケットから煙草を取り出す。
その動作に、彼女がビクッと反応する。

「?」

「……」

オレが彼女を見つめているのが分かると、彼女は慌ててオレから視線をそらした。
堪らなくオレは彼女に尋ねた。

「なぁ、オレに何か頼みたいことがあるんじゃないか?」

正直、この質問はただの当てずっぽうだ。
彼女の悩みなどオレに分かるはずなどない。
だが、なんとかしてこの微妙な雰囲気を紛らわせなければならない、と思ったからだ。

「あ、うん」

彼女が俯きながらそう言う。
予想外の答えに驚く。

「なんだ?」

動揺を悟られないように、ぶっきらぼうに答える。

「……私に一時的に身体を貸して欲しい」

「……へっ?」

彼女が言うには、彼女の魔力はまだ回復しておらず、微弱であった。
しかし、人の身体を触媒にすることで、僅かだが、元の状態に戻れるというのだ。
だが、実際に試したことはなく、どういう副作用が起こるのかも分からないリスクの高い方法だった。
オレは彼女からそのことを淡々と聞き、そして軽い口調で答える。

「ああ、いいぜ」

その答えに、彼女は驚愕する。
彼女が初めてまともな感情を見せた瞬間だった。
彼女はおずおずと尋ねてくる。

「なぜ、貴方はこんな見ず知らずの女の頼みを簡単に引き受けるの?」

「目の前に困ってる女の子がいるんだ。そしてオレだけがその頼みを引き受けることができる。
 だったら、力を貸さないわけにはいかないだろ?」

その言葉を聞いた瞬間、その少女はかすかに微笑んだのだった。

「ふふっ、ここまでバカな人間も珍しいわね」

「バカで結構」

彼女は早速床に魔法円を描いていた。
描かれた魔法円には見たことのない言葉や図形が綴られていた。

「じゃあ始めるわよ」

「あ、ちょっと待った」

オレの言葉に、彼女が戸惑う。

「なに?」

「やる前にひとつだけ教えてくれ」

「?」

「お前の、名前だ」

「……」

「それが条件だ。お前の名前を教えてくれれば、オレはお前に身体を貸す。取引というわけだ」

「私の名前を知って、貴方に何のメリットが?」

「それはオレが決めることだ」

真剣な眼差しで彼女を見つめる。
その視線に堪えたのか、彼女がしぶしぶ答えた。

「私の名前は、イリス。イリス・スカーレット」

「イリス・スカーレット……」

そうか、見えてきた。
前に紫から聞いた話では、確かイリス・スカーレットはレミリアとフランの姉だったはず。
両親を殺し、フランを守ろうとした姉。

「……」

彼女が無言のまま、オレを見つめる。

「ん、ああ。始めてもいいぞ」

「違うわ」

彼女がぶんぶんと首を振った。
その行動と見た目とのギャップに不本意ながら笑ってしまった。
そんなオレはジト目で見るイリス。

「何よ? おかしなことでもした?」

「いや、なんでもない。で、なんだ?」

「貴方の名前。まだ聞いてないわよ? 私だけが教えるのはフェアじゃないわ」

「ったく、細かいことばかり気にしやがって。オレの名前は、ゼロだ」

「ゼロ……」

彼女が呪文のように呟く。

そんなに覚えにくい名前だったのかな?

「分かった。ゼロ。始めるわよ」

「ああ」

そして、彼女が聞きなれない単語の数々を唱え始めた。
まるで呪文のようだった。

そして、二人の身体が光輝き始めた。
視界も真っ白に染まっていった。

「ありがとう」

その言葉を聞いた途端、オレの意識がなくなった。





「確か……そうだ。この床だ」

早速、近くにある道具を漁り始めた。

――この記憶が正しければあるはずなのだ。アレが。

「あった」

探していたものはツルハシだった。

「確かこれで床を叩き割ったはずだ」

その床にツルハシを振り下ろすと、見事に叩き割れ、中からはしごが見えてきた。
ツルハシを床に置き、はしごを降りる。

下まで降りるのに五分もかからなかった。

そこには、記憶通り、何の変哲もない牢獄があった。
ただ、記憶とくい違うところがあるとすれば、

それは牢屋の中には鎖しかないということである。

「彼女はどこに……?」

その疑問の答えはそこにはなかった。
ただ、あるのは、地面に描かれていた魔法円だけだった。

「魔法円……やっぱり、あの時オレは……」

あの子に身体を貸した。
だが、その後どうなったのかは覚えていない。
どうなったのだろうか……。

オレはそっと牢屋へと歩を進めた。
そして、地面の描かれてる魔法円にそっと手を触れてみた。

すると、一瞬脳裏に何か横切ったのだ。

「なんだ……今のは……?」

またノイズのような何かが頭の中を横切った。
次は昔の白黒映画のような映像だった。

フランが苦しんでいた。
それとレミリアと、幼い頃と思われるイリスが泣き叫んでいた。
悪魔の微笑みをやめない二人の大人は、鉄の棒を使ってフランに殴りかかっていた。

そんな、吐き気が出るような映像だった。

「なんなんだよ!? 今のは!?」

背中に寒気が走った。
まるで、何か悪いことが起きる前兆みたいに。

――嫌な予感がする。

オレの勘はよく当たる。
最悪の事態にならないことを祈り、オレは急いでここを離れた。


                       To be continued...


次回→AD少女たちの過去編 『漆黒の翼に関する手記』

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