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トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『紅魔の門番』

前回→AD少女たちの過去編 『漆黒の翼に関する手記』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ











紅魔館のとある一室に咲夜とレミリアはいた。
どうやら、何か口論になっているようである。

「お嬢様! なぜあの子をクビにしたのですかっ!!」

銀髪の少女、十六夜咲夜が激昂する。

「確かに……あの子は門番としてのミスを何度も起こしています。門を破られたり、寝てたりもしてます」

「でもっ! あの子はあの子なりに頑張っているんです!!」

咲夜の必死な訴えに青髪の少女――紅魔館の主、レミリア――は顔をしかめる。

「……分かってるわよ。そんなことは……」

勿論、レミリアにはそんなことはわかっていた。
ただ、あるひとつの理由があったからだ。
その理由を端的に彼女の耳元でゆっくりと囁く。

「……こういうことよ」

「なっ!? そん……な……」

咲夜は愕然とした。
まさか、紅魔館にそんな悲惨な運命が訪れるなどとは思っていなかったからだ。
主の言葉を疑うかのように、彼女は尋ねた。

「それは……本当なんですか?」

「ええ。もう……変えられない運命なのよ」




北風が頬を伝う寒空の下で、元紅魔館の門番であった紅美鈴はそこに呆然と立っていた。
彼女は寂しそうな瞳で、紅魔館を見つめていた。

「……はぁ」

ひとつ溜息を吐いた。

いつまでもここにいても状況は変わらないというのに……。

そんな美鈴の前に一人の少女がやってきた。
水色の髪色をした、氷の妖精だった。

「あ、美鈴お姉ちゃん!」

「ん? ああ、チルノちゃんか」

「お姉ちゃぁぁぁん!!」

彼女はそう言いながら、美鈴に抱きついてきた。

「まだまだ甘えん坊さんですね。チルノちゃん」

美鈴もなんだかんだで嬉しそうである。
少し経って、チルノは美鈴の様子がおかしいことに気がついた。

「あれ? 美鈴お姉ちゃん。なんでいつも被ってる緑色の帽子はどうしたの?」

「あ、えっと……その……」

「門番……クビになっちゃいまして……」







私は今までの経緯を簡単に彼女に話した。
半分は愚痴なのかもしれないが、それでも彼女を傷つけない程度に話した。

「つまり……普段の行いの悪さが塵に積もったの?」

「はぁ……そういうことになるんでしょうね」

またひとつ溜息を吐いた。

「美鈴お姉ちゃんは……それで納得してるの?」

チルノの言葉に、私は何も言えなかった。

「だったらさ、ちゃんとなんでクビにしたのか聞いてこないと!」

「いや……でも、お嬢様の言うことは絶対だし……」

「絶対かどうかは貴女が決めることじゃないよ! ほら、当たって砕けろってよく言うじゃんか!」

「あのですね……」

チルノは根っからの正直者であり、馬鹿でもある。
だから、彼女は自分の気持ちに素直に従う。絶対に曲げない。
その彼女の性格に、私は元気を取り戻していた。
だが、この空気を乱す者が門の中から現れた。
紫色の髪色を持つこの屋敷の主、レミリアであった。

「その子はもうクビになったの。残念だけど」

「お、お嬢様ッ!!」

元雇い主の顔を見ると、急に顔が青ざめてきた。
それもそのはず、彼女の目から異様な殺気が芽生えていたからである。

「まだこんなところにいたの? 美鈴。貴女にやってもらいたい仕事などもうないのよ」

「……はい、すみません」

私はただ謝罪することしかできなかった。
主従関係とはこういうもの。私に選択肢はない。

「こらぁー!! 美鈴お姉ちゃんをいじめるなー!!」

その険悪な雰囲気の中に割り込んできたのは、なんとチルノであった。
レミリアはチルノを一瞥し、話を続ける。

「悪いけど、美鈴。貴女の普段の行いは、もう許容できる範囲を超えたのよ」

「だからって、いきなりクビだなんて……。そんなのおかしいよ!!」

「うっ……!」

チルノの凄みのある迫力にレミリアが後ずさる。

「確かに自業自得かもしれないけどっ!! だからといって、いきなりクビはひどいよ……ぐすっ」

チルノの今にも泣きそうな顔に、レミリアはまた一歩押される。

「何故ですか?」

「え……」

「何故、美鈴お姉ちゃんをクビにしたんですか?」

「教えてくれなきゃ、れみっちのことは今度からレミリアさんって呼ぶもん!」

「れみっち?」

「うっ……」

レミリアはその言葉に顔をしかめた。
額から嫌な汗が出ているのも見て分かる。

「あたいのこと、嫌いになったの? あたいはれみっちのことが好きだよ?」

そしてトドメとなったのは、彼女の涙目であった。
うるうると涙を堪えた表情を見せた彼女に、レミリアは完全に毒を抜かれたのだった。

「うっ……はぁ。分かったわよ。本当の理由を教えてあげる」

「本当の……理由?」

レミリアの言葉に美鈴は顔を強張らせる。

「実はね……もうすぐここを中心にとある感染病が流行るの」

「感染病?」

「ええ。美鈴のような特殊な妖怪にのみ感染する病気なのよ」

「私だけに?」

「ええ。貴女だけにしかかからないといってもいいくらいよ」

「だから、美鈴お姉さんをクビにしたの?」

「そうよ。美鈴には傷ついてほしくないの」




「だって、私たちの大切な……」





「家族だもの」




「お嬢様……っ!!」

その言葉に、美鈴は薄っすらと涙を零していた。

「そうだ、美鈴」

「はいっ!」

「忘れ物よ……」

レミリアは懐からある物を取り出した。
それは、美鈴がいつも被ってる龍の文字が刻まれた緑色の帽子であった。

「私の……帽子……」

そう、それは。

私が紅魔館の一員となったときに貰った帽子だ。



「紅魔館の一員となったからには気を引き締めて。自分のできる仕事をきちんと成し遂げるの。
 そして、紅魔館の一員となった自分を誇りに思いなさい」

「そして、この帽子は紅魔館の一員になった証よ。受け取りなさい……」




「ありがとう……ございますっ!」

美鈴は泣いていた。

別に悲しいわけではない。

ただただ、自分が大切にされていたことを実感し、嬉しくて泣いているのであった。

「いつか……必ず、お嬢様の元へ帰ってきますっ!! それまで……それまでっ!!」

レミリアは美鈴から顔を背けた。
そのとき、薄っすらと小さな粒が飛び散った。

「どうか……お待ちになって下さい……!」

美鈴は涙を流すことをやめない。
レミリアも同じなのだろう。美鈴と顔をあわせようとしない。

「うん……絶対、待ってるからね……」

「はいっ!」

レミリアはうれし泣きをしながら、去っていく美鈴の姿をチルノとともに見送った。

「チルノも、もうさっさと家に帰りなさい。ここは危険よ」

「う、うん」

レミリアの覇気のようなものに押されて、チルノはすぐさま帰ろうとした。
帰り際に、レミリアのほうに振り向いて、一言。

「れみっち!! 明日、氷の湖で待ってるから! 一緒に遊ぼうね!!」

「……うん!」

それは絶対に守れない、悲しい約束だった。


                    To be continued...


次回→AD狂乱する少女編 第2話『狂気の目覚め』

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