上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『崩壊の序曲』

前回→AD狂乱する少女編 第2話『狂気の目覚め』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ








その頃、異変を知らない八雲藍は自身の家の居間のコタツの中で身体を温めていた。
季節はもう冬。主である八雲紫は当然のように冬眠の時期に入っていた。

「はぁ……やっぱり冬はこたつだねー」

独り言を呟いていると、橙が部屋に入ってきた。

「藍様、藍様!」

彼女は好奇心に満ちた瞳で私を見つめてくる。

「なんだい? 橙」

「これやろっ!」

橙が持っていたもの……それは、遊戯王と呼ばれるトレーディングカードゲームの1種であった。
ちなみに私のデッキは、『ライトロード』と呼ばれる類のモンスターで構成されたデッキだ。
圧倒的な展開力と、デッキの回転速度が魅力的な所謂(いわゆる)ガチデッキだ。
橙相手にコレを使うのは気が引けるが、まぁ予備のデッキがないのだから仕方がない。

「いいよ、やろうか。なら、デッキを持ってくるから、少し待っていてくれないか」

「はいっ! 藍様!」

橙が興奮しながら、私に手を振る。
橙の眩しい笑顔を眺めていると、心が綺麗に洗われるような心地よさを感じていた。
しばらく呆然としていたのに気付いて、慌てて自分の部屋に戻ろうとした。

突然、隣の部屋の戸が開いた。
そこから姿を現したのは、主人である八雲紫であった。

「紫様……? 冬眠していたのでは?」

私は紫様が冬であるにも関わらず起きたことに驚きを隠せなかった。
彼女はすぐにスキマを開いてどこかへ出かけようとしていた。

「藍!」

「はい」

「私が呼んだら、すぐに出かけられるように準備をしておきなさい!」

紫様の異常な様子に私も気付いていた。
この幻想卿に何かが起きているということを……。

「はいっ!」

私は威勢よく返事をした。




同じ頃、妖怪の山のとある場所にて、少女が岩山の一角に立っていた。
白狼天狗の犬走椛であった。

椛は自身の能力である『千里先まで見通す程度の能力』で、
周囲の偵察及び主である射命丸文のためにネタになるようなことを探していたのであった。

そこで椛の目に飛び込んできたのは、
慌しい様子でスキマを開いて移動しようとしている八雲紫であった。

「スキマ妖怪の紫が冬にも関わらず、仕事を? これは……一体」

椛が考えていると、すぐ後ろから人の気配がした。
振り向くとそこには、主である射命丸文がいた。

「あっ! 文様!」

「椛……どう? なんか変わったことがない?」

「それがですね……先ほど、スキマ妖怪が慌てた様子で移動しているのが確認できました」

「あのスキマ妖怪が慌てて……?  何かとてつもないネタの匂いがぷんぷんするわね!
で、そのスキマ妖怪はどこへ向かったの?」

「ちょっと待ってください」

椛は自身の能力を使って紫を行方を捜し始めた。

『千里先まで見通す程度の能力』

その名の通り、千里先まで見通すことができる能力である。
また、少し過去の様子までも見ることができるのだ。

しばらくして、紫の姿を見つけることに成功した。

「文様分かりましたよっ!」

「どこにいるの!?」

「博麗神社です」

その言葉を聞いた射命丸は、早速自身の黒い羽を広げた。

「またあの巫女が絡んでるのかしら? ちょっと行ってくるわね!」

そう言い残すと、瞬く間に姿を消した。
取り残された椛は一言、呟いた。

「文様、お気をつけて……」






スキマから出てきた紫は、すぐに本堂へと入った。
そして部屋の中を見て愕然とした。

「なっ……。これほどまでに酷い状況とは……」

彼女が見たもの。それは……。

すでに壊れかけた陰陽玉であった。


宝具『陰陽鬼神玉』

博麗神社最大の秘宝という二つ名をもつ。
そして、博麗の巫女の力の源であり、博麗大結界の要でもある。


――それが壊れてる……このことが意味するのは。

紫はすぐさま幻想卿の周囲に大規模な結界を張り始めた。
だが陰陽鬼神玉が維持してた結界は彼女でさえ圧倒されるほどの代物だった。

「っ……まさか、これほどまでとは!?」

紫は自身のもつすべての力を用いて、結界を維持し始めた。
それでも彼女の力より結界が収縮する力のほうが上回っていたのだ。

「くっ……このままではっ!?」






不意に人の気配を感じる。
外から一人の鴉天狗が飛び降りてきたのだ。

「あややややっ!? 一体何の騒ぎですかこれは!?」

「鴉天狗!? ちょうどいいところに!」

「これはいったい何が起こってるのですか!?」

鴉天狗――射命丸文――は混乱している。
このままでは不味いと、私は彼女に大声で怒鳴る。

「黙って私の言葉を聞きなさいっ!!」

怒鳴り声に、彼女は押し黙った。

「まず結論から言います! このままでは……」

「幻想卿が崩壊します!」

「なっ……!?」

彼女は唖然としていた。
それが当たり前の反応。
だからこの事態に至った過程を簡単に説明した。

「陰陽鬼神玉が何者かによって破壊されたのよ。誰に壊されたかについてはある程度検討がついているわ。
 そしてこれが壊されると、博麗大結界は急速に収縮していって、最終的には幻想郷を飲み込んでしまうわ」

「つまり、幻想郷が消滅するのよッ!」

彼女は愕然としている様子だった。
この反応も至極当たり前な反応だった。
そりゃいきなりスケールの大きい話をしてしまっては、信じられないのも無理はない。
だけど、彼女をこれ以上説得する時間はない。
だからあえて厳しい現実を突きつけることにした。

「約十時間。十時間後には幻想卿が消滅するわ」

「今すぐ号外を出しなさいっ! 八雲紫の名で命令するわ!
 一刻も早く、邪気の元凶であるイリスを、イリスを捕獲しなさい。場合によっては殺しても構わないわ!」

「早く行きなさいっ!!」

「あやややっ!! 分かりましたっ!」

そう言い残し、瞬く間に彼女は去っていった。

彼女が飛び去った後、私は現状について簡単に整理していた。

何故、ゼロの中にいる存在――イリス・スカーレット――が今になって暴走したのか。
何故、陰陽鬼神玉を壊したのか。

分からない。
こういった時は、相手の立場から考えるのが理想的だ。
だが、相手の立場になっても、具体的なメリットが思いつかなかった。

ひとつめの疑問に関しては、何かきっかけがあったはずなのだ。
鍵となるのは、フランドール・スカーレット。イリスの愛する妹だ。
彼女の身に何かが生じれば、イリスが目覚めても不思議ではない。
だが、フランドールはこの幻想郷の中でも危険人物であり、容易に手が出せるほどの相手ではないのが周知の事実だ。
妖怪程度ではまるで歯が立たない。
かといって、他に適任が思いつくわけでもない。

――いったい誰が、何のために?

ふたつめの疑問に関してもそうだった。
陰陽鬼神玉を破壊するということは、幻想郷を滅ぼすのが目的ということになる。
イリスが暴走すれば、確かにこういう結果になっても不自然はないし、罪を彼女に擦り付けることができる。
そう考えると、やはりこの異変には別の黒幕がいることが明らかになる。

幻想郷が滅ぶことにメリットを感じている。
イリスみたいにすでに脳がおかしくなっている輩なのか、それとも……。

情報と仮説を簡単に整理してみたが、謎は謎のまま。
ならば今私にできることはただひとつ。

目の前の結界をどうやって修復するか、これしかないのだ。
私の愛する幻想郷を護るために。


                    To be continued...


次回→AD狂乱する少女編 第4話『主人と従者』

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://cerberus1275.blog69.fc2.com/tb.php/340-bdf1d508
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。