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トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『陰謀と策略』

前回→AD狂乱する少女編 第5話『姉妹』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ











スキマ妖怪――八雲紫――の命令を受けた私はここに着ていた。
『文々。新聞』の号外を出すためにである。

視線の先には、白狼天狗であり、部下である犬走椛がいる。
早まる鼓動を抑え、彼女に声を掛けた。

「あ、文様。どうしたんですか、そんなに慌てて」

彼女は心配そうな顔で私を見つめる。
私は彼女が混乱しないように、先ほどの話を優しく語った。

「今から私の言うことをよく聞いて。 幻想卿は約10時間後には消滅するわ」

「ええっ!?」

彼女は唖然としていた。
気持ちは分かる。先ほどの私も同じ気持ちだったのだから。
だから、彼女にはきちんと現実を受け止めて欲しい。

「博麗神社で、陰陽鬼神玉とかいう大事なものがゼロに壊されたらしいの。
 だから椛の能力で彼を探して。できるわよね?」

私の願いに、二つ返事で答えてくれた。

「頼むわね! 私も号外を配りにいくから!」

早速作った号外を手に、空へと舞う。
去り際、彼女は不安そうな視線で私を見つめていた。
何か言おうとと思ったが、号外を補給しに来たときにでも言っておこう。

――椛も気をつけなさいって。








文様はそう言い残すと、すぐに上空へと舞い、人間の里の方へと飛んでいった。
私は主人の後姿を見送ると、早速能力を使って周辺の探索を始めた。

『千里先まで見通す程度の能力』

その名の通り、千里先まで見通すことができる能力である。
また、少し過去の様子までも見ることができるのだ。
私が文様の従者になることができたのも、この能力によるからだ。

能力を使い始めて数分後、紅魔館付近を見ていた。

「特に異常はないなぁ……。強いていうなら、門番がいないことだけど」

紅魔館付近の過去の様子を見ることにした。

「まずは……三十分くらい前から」

視線の先には、紅魔館の門番と妖精がいた。
何か話しているようである。
そこに吸血鬼がやってきた。
それも不機嫌そうな面を掲げて。

「何を話しているのかな?」

私の能力はあくまで見通す程度の能力なので、音声を拾うことはできなかったのだ。
勿論、読唇術(とくしんじゅつ)の経験など一切無い。
すぐに諦めて、もう少し紅魔館の周辺を見ることにした。

紅魔館から少し離れたところで、妹のほうの吸血鬼がいた。
彼女が日傘を差しながら歩いていると、突如彼女の身体が吹っ飛んだ。

何故吹っ飛んだのかは分からない。
私自身の眼にも捉えることができなかったからだ。

だが、なんらかの攻撃が彼女を襲ったのは間違いない。
そしてその数十分後、ゼロが彼女の元へと駆け寄った。

彼は泣き叫びながら、彼女の身体を揺する。
そして無力を悟ると、突如彼の身体が輝き始めた。
光の中から生まれたのは、銀髪の吸血鬼だった。
背中には漆黒に包まれた翼、そして紅く燃えるような色の瞳。
その姿は、まさに堕天使といっても過言ではない。

もちろん、その人物が誰なのかは椛には分からなかった。
しかし彼女がこの異変に関わっているのは明らかだった。
何故なら、彼女はおぞましいほどの負の感情に包まれていたからだ。

恐怖。
憎悪。
悲愴。
憤怒。

その他様々な負の感情が彼女に纏っていた。

事情を把握した椛はすぐにその場から離れようとした。
だが、動くことができなかった。
背後から身の毛がよだつほどの殺気があったからだ。

「ッ!?」

後ろを振り向くと、能力で見た別人となってしまった彼の姿がそこにあった。
いや、正確に言うなら彼本人ではない。
全く別の存在なのだ。
例えるならば悪魔。または、狂気の塊。

私は震える手で背中に装備している剣を手に取る。
ずっしりとした重さと、鉄特有の感触を味わう。
武器を構えているという現実を再認識し、冷静さを取り戻していく。
そして、鋭い視線で目の前の敵を捉える。

「貴女を脅威と認定するわ。死になさい」

狂気に表情(かお)を歪ませた彼女のその一声を合図に、死闘が始まった。

先手は彼女から。手にもつスペルカードを唱えていく。

――禁忌

「――レーヴァテイン――」

彼女に手には蒼く燃え盛る剣が。
あらゆる絶望を飲み干したその魔剣が。
今私を斬り伏せようと唸る。

「くっ!?」

一歩後退し、ギリギリのところでそれを躱す。
そして彼女の首筋に狙いを定めて剣で叩き斬る。

「ハァァッ!」

私の剣が風を裂く。
だが彼女はそれを意図も容易く避けてしまったのだ。

「まだまだよ、子犬ちゃん。もっと私を楽しませて!」

「ハァァッ!」

再び剣が風を切り裂く。
だが彼女の剣によって弾き返されてしまう。

「もう終わり? じゃあ次はこっちからいくわよッ!」

レーヴァテインが私の頭を狙う。
寸前のところで防御し、力で押し切る。
だが押し切れない。それどころか、彼女の刃がどんどん迫ってくる。

「ふふふっ、この程度の力なの? それじゃあすぐ死んじゃうわよ?」

「……ッ!」

無言のまま、彼女を睨みつける。

元々力では勝てない相手だというのは、能力を使ったときになんとなくだが想像できた。
だからこれはあくまで時間稼ぎだ。
文様が来れば、人数的にもこちらの有利となる。
だからこそ、あまり踏み込まず、防御と回避を中心とした戦い方をしなくてはならない。

「これなら、どうかしらッ!?」

獄炎の剣が上段から下段へと振り下ろされる。
それと同時に、鈍い金属音が響く。
灼熱の刃が私の剣に圧し掛かる。

「くぅッ!」

獄炎の剣から放たれる強烈な熱気が私を襲う。
額からは汗が。背中からは冷や汗が滲み出てくる。

「どう? もうギブアップ?」

獄炎の剣を力任せに振り回す。
その度に灼熱の大気を纏った重い一撃が何度も襲い掛かる。

手の筋肉が痙攣を起こしている。
それもそのはず。こんなデタラメな力をもつ剣の一撃を何度も弾き返そうとするからだ。
段々剣に入る力も衰えていく。

「こんのォォォッ!」

力任せに剣を振るう。
だが私の渾身の一撃は、彼女の剣にあっさりと捌かれてしまった。

「もう終わり? じゃあ、死ね」

左から右へ。私の首筋に向けて紅の刃が放たれる。
目に追えないほどの速度で迫る斬撃を私はただ見つめている。
いや、諦めていると言い換えたほうが良いのだろうか。
目の前の悪魔の圧倒的な力に叶わないことに。
よく云われるが、アリがいくら集まっても人には叶わない。
それと同じことを今目の前で体験しているのだ。
所詮私みたいな雑魚がいくら束を重ねようとも、彼女には叶わない。
彼女は私とは違う次元の生き物なのだから。

ゆっくりと瞼を閉じる。
死期が近いと悟ると、何故か無性に悲しくなる。

私の瞳に映るのは、いつも自分を振り回していたあの人。
無邪気な笑みを浮かべて、私を弄っていたあの人。
従者になると決意したあの日から、私はあの人の傍にずっといた。

だから、私は――。

――椛。

不意にあの人の声が脳内に響き渡る。

――言ったよね? 私たちは。

新聞記者……でした。





従者となった日、あの人はこう言った。
 
「椛、ひとつだけ約束してくれる?」

「はい、文様。何をですか?」

「私たちは、何があっても諦めないし、へこたれない」

「それが、私たち新聞記者のポリシーよ! 覚えておきなさいっ!」

「はい、文様」

それは何気ない会話。
だからあの人は気にも留めていなかっただろう。

だけど私はその言葉を忘れることはなかった。
あの人の従者となってからもずっと。

おっちょこちょいだった私に、新聞記者のイロハを教えてくれたのは彼女だった。
私はそんな彼女に憧れた。
だから私は決意したのだ。彼女の従者になって、彼女の見る世界を一緒に見たいと。
彼女の視線に合わせて、モノを見たいと。







「私たちは、何があっても諦めないし、へこたれない」

その言葉をもう一度呟く。
満身創痍だった身体に再び活力が沸くような感覚がした。

拳を握る。
もう、痙攣など起こしていなかった。

だから再び剣を握り、瞬時に剣を首元に掲げて彼女の狂気の刃を受け止める。
鈍い金属音が響き、汗が頬を伝う。
だが不思議と恐怖を感じなかった。
今あるのは、目の前の敵を倒すための頑固たる意思。
私は瞳を開け、悪魔を睨みつけた。

「ゼロ……いえ、ゼロの皮を被った悪魔よ。私は、あなたを討つッ!」

雄叫びを上げ、一直線に剣を振り下ろす。
彼女はそれを獄炎の剣で受け止める。

私の眼から見ても分かる。
彼女は、必死な形相で私の剣を弾き返そうとしていることが。

全体重を乗せ、その一撃にさらなる力を送り込む。
強引にそのまま力で押しきる。

「ハァァッ!」

私の剣が彼女の剣を弾く。
瞬時に体勢を立て直し、彼女の胴体に刃を向ける。

「届け――ッ!」

彼女に。
雑魚だからできる。最後の悪あがきを。

私の一撃は、彼女には届かなかった。
何故なら彼女は私の頭上にいたからだ。
蒼く燃え盛る獄炎の剣を振り下ろしながら――――。

「さようなら」

その剣が肉を切り裂く。
不快な音を響かせ、その刃は私の身体に入っていく。
切り傷からは、大量の血液が噴出される。
彼女の顔は真っ赤に、私の身体も真っ赤に染まっていった。

筋肉に力が入らなくなり、足場を失う。
そのままの体勢で地上へと落下する。
幸いにも、落下の直前に体勢を変えていたことにより即死だけは免れた。
だが、骨折した骨が内臓の様々なところに突き刺さっており、呼吸さえ満足に行えなかった。
当然だが、身体機能はほとんど麻痺している。
何も出来ない私は、ただ祈るしかなかった。

「文、様。どうか、ご無、事……で」



満身創痍リスト:

パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜
レミリア・スカーレット


                    To be continued...


次回→AD狂乱する少女編 第7話『怒りに狂いし天狗の少女』
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