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トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『怒りに狂いし天狗の少女』

前回→AD狂乱する少女編 第6話『陰謀と策略』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ









持って行った号外を幻想郷中にばら撒き終えた射命丸文は、
休憩と追加補充のために妖怪の山へと帰還していた。

「おっと」

慣れた様子で、地面へと着地する。

「中々量が多いですね……あ、椛にも手伝ってもらおうかな」

そう呟くと、椛の姿を探そうとした。
だが、彼女の姿はどこにもなかった。

「ん、これは……」

そんな中、あるものを発見した。

「これは……血?」

地面にこびり付いていた血であった。

「まだ乾いていない……だとしたら、ちょっと前のもの。いったい、何が……?」

嫌な胸騒ぎがする。
私はすぐに周辺の調査に出た。
血まみれの椛を発見したのは、それから数分後のことだった。

「椛っ!?」

すぐに駆け寄り、傷の具合を確認する。
傷は見た目どおり、深く危険な状態だった。

「……ぁ……文……様」

「椛っ!? 誰がこんなことを!?」

「ゼロが……フランを助けるために……」

「ゼロッ!? フランドールッ!?」

「はい……文様お願いです……彼女を……助け……」

そこで椛の意識がなくなった。
椛の身体がどんどん冷たくなっていくのが分かった。

「椛ィィィッッ!!」

私の叫びも空しく、椛は私の胸の中で静かに息を引き取った。
残っているのは、椛が死ぬ直前まで伝えかった真実と、彼女の身体だけである。

「ッ!?」

そんな中、身の毛がよだつほどの殺気を感じ、すぐに上空へと飛ぶ。
すると、さっきまでいた場所に無数の弾幕が飛んできた。

「誰だっ!?」

私の叫びに応じて、暗闇から一人の吸血鬼が姿を現した。
銀色の長髪に漆黒の翼。そして、目を背けたくなるほどの殺気。
私はすぐに理解した。目の前にいるこの少女が、椛を襲ったのだということを……。

「貴女ね? 椛を襲ったのは」

「だとしたら?」

彼女はさも当然のように、そう答える。
まるで椛を襲い、殺すことが義務であるかのように。

「ひとつ聞きたい。何故、椛を襲ったの? あの子は一生懸命にこの世界で生きてきた。
 どんなに辛いことからも逃げずに。そんなあの子の……椛の命をなぜ奪ったのよっ!!」

私は無意識のうちに涙を零していた。
それは悔し涙だった。
椛の理不尽さに泣いていたのだ。
だが目の前の少女から返ってきた言葉は、私の怒りを増幅させた。

「邪魔な存在になったからよ」

「邪魔な……存在……だって!?」

「フランを脅かす可能性のある者は、何人たりとも生かしてはおけない。
 脅威は全て抹消しなければならない。一人残さずに」

「……」

右手がわなわなと震えていた。
恐怖を感じているのではない、怒りを覚えていたからだ。

「貴女も、脅威として認識する。ここで、朽ち果てなさいッ!」

彼女のその言葉と同時に、スペルカードが発動した。

――禁忌

「――レーヴァテイン――」

瞬時に青く燃え盛る剣を召喚され、上段から下段へと振り下ろされる。
だがその刃が私に届くことはなかった。

「!?」

彼女の意識から私が消えた。
その隙に上空へと舞い、彼女の背後へと回る。

「貴女を許さないっ!! 絶対に! 貴女は私がこの手で……!」

私は無我夢中で、スペルカードを唱えた。

「――無双風神――」

高速で飛翔しながら、大小様々な弾幕を彼女にばら撒いた。
私の弾幕の嵐に対しても、彼女は先ほどと同じように涼しい顔を止めなかった。

「無駄よ、この程度ではお遊びにもならないわ」

獄炎の剣で薙ぎ払い、周辺を彼女の炎で包み込んだ。
熱気に耐え切れず、すぐに上空へと舞い、追撃をする。

手にもつ団扇を仰いで旋風を引き起こす。
彼女はそんな攻撃にもろともせず、眼で私の動きを追っている。
眼で追う。つまりは、集中。
集中するということは、彼女には私の動きを追えないということ。
つまりは、隙だらけだということ。
集中している彼女の死角に瞬時に移動し、その脇腹に蹴りを炸裂させる。
風を切り裂く音が耳に届く。

「外したッ!?」

彼女は寸前のところで身体を捻り、私の蹴りを躱したのだ。
足の指先が彼女の腹に掠ったが、ダメージになるというほどではないだろう。
そのまま弾幕をばら撒きつつ、彼女との距離をとる。
弾幕の嵐のおかげか、彼女が追撃するのを躊躇わせることができた。

「くっ……」

彼女は苦虫を噛み潰したかのような表情を見せた。

「やるじゃない、天狗の娘」

「あなたに褒めてもらっても嬉しくないけどね」

「そう。でもまだまだこれからよ?」

団扇を一振りして巨大な竜巻を出現させる。
私の能力は、『風を操る程度の能力』。
その名のとおり、周囲の風を自由に操ることができる。
また、風のないとこに風を起こしたり、逆に風を止めることもできる。
だけど、私の実力はまだこんなものではない。
竜巻は制圧力は強いが、避けやすいのが欠点。
それはあくまで、竜巻がひとつしか存在しない場合。
もし多重に絡み合うように蠢いていたら?

――そう、竜巻を複数展開すれば躱しようがないわっ!

再び団扇を仰いで、巨大な竜巻を出現させる。
それを繰り返し、二重、三重に絡み合わせる。
避ける隙間もない攻撃。貴女ならどう躱すッ!?

「甘いわ、まだまだ甘いわ。そんなものじゃ私は殺せないわよ?」

レーヴァテインによる一振り。
たったそれだけの行為だ。
たったそれだけで、竜巻が消し飛んだ。
とても目の前で起きた現実が信じられなかった。
だが、突如目の前に出現したイリスを見て、一気に現実に引きずり込まれた。

「くッ!?」

寸前のところで彼女の刃を躱す。
身体が燃え盛るかのように熱い。
原因はまず間違いなく彼女の剣、レーヴァテインだ。

「どう、地獄の業火は?」

「ッ!? 最悪ね……とても最悪の気分だわ」

「そう、それはよかった。じゃあ、もう一度行くわよ」

そう言うと、天狗の如き速さで再び私の目の前まで迫ってきた。
だが何度も同じ手を喰らう私ではない。
この場面で切り返すには、スペルカードを使うのが定石。

――竜巻

「――天孫降臨の道しるべ――」

自分自身を軸に巨大な竜巻を出現させる。
台風の目っていう単語があるんだけど、台風の中心は何もない。
雷も無ければ、風もない。清々しいくらいの空しかない。
このスペルカードはそれと同じ。
私自身を文字通り台風の目にするため、私には何の影響もない。
そして周囲には巨大な竜巻が攻撃と防御を兼ね備えているから、私には手を出すことはできない。
これが私の切り返し用のスペルカードであり、切り札なのである。

轟々と竜巻が唸りを響かせる中、私はただ待っていた。
彼女がこの竜巻を突破してくるのを。
彼女、イリス・スカーレットならまず確実にこの竜巻を突破してくるだろう。
彼女が本当に私たち幻想郷の住人を滅ぼそうとしているのなら、目の前の脅威を放っておくはずはない。
故に、突破を試みる。これだけは断言できる。
ただ、どういった手で突破してくるのか。それだけは読めなかった。
故に――。

「貰ったッ!」

「なっ!?」

まさか頭上から攻めてくるとは思ってもいなかったのだ。
彼女の獄炎の剣が牙を向く。
首から下に斬り下ろされるその刃を、身体を翻し躱す。
その体勢から、団扇を振る。

「くっ!?」

団扇から出現した突風が彼女を上空に追いやる。
頭上から来たことは予想外だったが、それが逆に彼女の首を絞めることになったのだ。

――今が好機ッ!

突風に押し出された彼女は今や隙だらけ。
この好機に決着をつけなければ、勝ち目はない。
私は拳を握り、目を瞑った。
思い返すのは、椛との思い出。
彼女のか弱い命を踏みにじったのはイリス。
そして、彼女を守ることができなかった私にも罪はある。
今こそここで懺悔しよう。
そして、彼女の仇を討つことを誓おう。

「うおおおおォォォォッッッ!」

これがそのトドメとなることを祈って、私はスペルカードを宣言した。

「――幻想風靡――」

身体に風を纏い、天狗が出せる最高速度で敵に突っ込む。

「なにッ!?」

「うおおおおおォォォォォッッッ!!」

体当たりをし、彼女は吹き飛ばす。
その要領で、何重も身体をぶつける。
何度も何度も追撃を行い、最後に踵で地上まで叩き落す。
これが、このスペルカードの真髄。

「終わりだァァァッッッ!」

最後の踵を決め、上空から地面にまで叩き落す。
多分、今の私は高揚しすぎていたのだろう。
だから見落としたのだ。
彼女の手に、あの獄炎の剣がないことを。

「ガハッ――――!」

地面に叩きつけられ、口から吐血するその姿はまさに滑稽。
そしてその彼女の元へトドメの一撃を決める。
これで終わるのだ、この死闘(たたかい)が。

彼女がにやりと顔を歪ませる。
終わったのは、私のほうだった。

「――――――ッ!?」

一瞬何が起こったのか理解できなかった。
ただ感じ取ることが出来たのは、耳元に響いた肉が抉れる音と、胸に感じた違和感だけだった。

「ぐっ……がはっ!?」

口から血を吐き出し、そのまま地上へと落下する。
胸から伝わる強烈な痛みが、私を現実に引き戻した。

――胸が熱いッ! 熱すぎるッ!

これは高揚しているせいではなく、レーヴァテインによるもの。
上空から落下したその剣が、私の胸を貫いたのだ。

地上へと落下した私は、揺らぐ視界の中にあるモノを発見した。
それは、すでに息を止めた椛の姿だった。

「椛……ごめん、ね。ごめん」

私はただ謝ることしかできなかった。
ただ、悔しかったのだ。
椛の仇も取ることができず、挙句の果てにはこうして返り討ちを喰らってしまった。
どうしようもない嘘つき天狗だ。

必死に身体を起こし、彼女の身体を抱きしめる。
冷たいて柔らかい感触が肌に伝わってきた。
その度に、止め処なく涙が溢れてきた。

「ごめん、ごめんね……椛ィィィッッッ!」

私の声はすでに彼女には届いていない。
そんなことは頭では理解できている。
それでも、彼女に伝えたかった言葉がある。

「椛、一緒に新聞記者をやれて、すごく楽しかった……よ」

私の最後の言葉は、彼女に届いたのだろうか?
それは分からない。
でも、彼女はそれを聞いていた。

「天狗の絆……少し妬けるわ」

白銀の死神は、獄炎の剣を私の喉元に向ける。
そして撫でるかのように、刃で喉笛を断ち切ったのだった。


満身創痍リスト:

パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜
レミリア・スカーレット
犬走椛
射命丸文

                To be continued...


次回→AD狂乱する少女編 第8話『招かれざる客』

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