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トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『天空からの襲撃』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ


前回→第15話『式神の理』

白玉楼(はくぎょくろう)。冥界に位置する広大な日本屋敷。
西行寺幽々子が主人で、魂魄妖夢は庭師兼護衛役としてここで働いている。
周囲には広大な庭があり、一面が桜色に染まっている。
その中でも一際目立つのは、西行妖(さいぎょうあやかし)である。
西行妖は他の桜とは違い、満開ではないものの見事な花を咲かせている。

西行妖の近くで箒を使い掃除をしている銀髪のおかっぱの少女。
彼女がこの屋敷の庭師兼護衛役の魂魄妖夢である。

「……これでいいかな」

あらかた掃除をし、綺麗になった庭園を見ながら満足そうに頷く妖夢。
そんな彼女の時間も長くは続かなかった。
何らかの気配を察知したのか、西行妖を見ながら誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。

「何故でしょうか、何かとてつもない邪気を感じます。しかも今までよりもどす黒く」

ふと何かを感じたかのように空を見上げる。
何の変哲もない青空が広がっていた。
ただひとつ、異なる点を述べるならば、太陽が黒く染まっていることだけだった。

「日食……ですかね」

それにしては、明らかに黒く染まりすぎている。
皆既日食だとしても、この黒さは異常としかいえない。
そしてもう一つ忘れてはいけないことがある。
それは、此処が幻想郷であるということ。

「"何か"と同調しているのでしょうか。それとも、"誰か"と」

「ようむ~」

そんな彼女の考えを遮るかのように現れたのは、一人の子供だった。
明るい橙色の髪色に、橙の半分にも満たない幼い体。
雲柄の和服を着ており、背中に亀の甲羅のようなものを背負っている。
そして、その中から触手のようなものが出てきているのも大きな特徴の少年である。
子供、少年などという言葉を述べたが、彼はその枠から大きくかけ離れていることは言うまでもない。
彼は邪神……つまりは、神なのである。
神、邪神といっても、あくまでまだ子供。この世界を脅かすものではない。
ただ、素質は凄まじいものを秘めている。
強力なスペルカードを簡単に習得したり、無意識の内に自身の周りに防御結界を張っていたり、と。
挙げればきりが無い。
しかも、この少年が元々外界のモノであること。
そして、邪神とは思えないほど純粋な心を持っていること。
彼をここに匿うのは必然といえた。
ここならば、生者は寄ってこないし、結界の護りも強固だ。
それらを掻い潜って悪の手が忍び寄ろうとも、私たちで叩き潰すだけだ。

「はい、どうしましたイリス」

彼の名は、イリス。
皮肉にも、今回の異変の元凶であるイリス・スカーレットと同じ名前を持っているのだ。

「ゆゆこは~?」

彼はそんなことを考えている私にも関わらず、満面の笑みで話しかけている。
正直、名前如きで拘っている自分が恥ずかしい。

「幽々子様は、今御客人と会談をしております」

「おきゃくじん~?」

「『お客様』のことですよ」

「ん、わかった。ゆかりだね!」

「そう、その通りですよイリス」

御客人――八雲紫様――は、白玉楼のとある一室で幽々子様と会談をしておられる。
内容は恐らく、今回の異変についてだろう。
すでに十を越える犠牲者を出した今回の異変。
たった一人の吸血鬼の仕業にしては、規模、被害ともに尋常ではないほどだ。
私は思う。今回の異変には、第三者が関わっているのではないか、と。
恐らく幽々子様もそう思ってらっしゃるはずだ。あの方は紫様も認める切れ者なのだから。



此処は白玉楼の一室。
ずっしりとした高級感のある木の机の対面に、二人の女性がいた。
片一方は、桃色の髪をした女性。
蝶の模様がついた着物もその魅力をさらに引き上げる。
華やかな外見だが、それでいてどこか透明感のある雰囲気を漂わせるそんな女性。
だが、そう思うのも無理はない。
この女性は、すでにこの世の存在ではないからだ。
千年も昔に亡くなっている、つまりは死人。
そして、その死人の女性こそ、この屋敷の主人を務める西行寺幽々子なのである。

そしてもう片方は、幽々子とは一線を画く女性。
黄金色の長くて艶のある髪に、華やかな紫色の洋服。
その胡散臭そうな雰囲気を醸し出すその女性こそが、八雲紫。

この二人が、この和室に対面して座っているのだ。
理由は至極簡単。会談をするためである。
何故か? それは今回の事件を迅速に処理するためである。

「――以上が、今回の事件の被害の規模よ」

そう告げるのは八雲紫。

「そう……。それほど大規模な異変が此処で起きてたのね」

彼女の声に応えるように幽々子が喋る。

「そして、今回の事件の主犯であるイリス・スカーレットは未だに暴走をやめないわ。
 彼女が暴走を続ける限り、被害はどんどん広がっていくわ」

「紫。彼女を止める方法はないのかしら?」

幽々子が悲しげな眼差しで彼女を見る。
紫はそんな彼女に――。

「ひとつだけ。確実ではないけれど」

止める方法。それは、至極単純であり、不可能に近い諸行をやらなければならない。
イリス・スカーレット。彼女の狂気の源は、フランドール・スカーレット。
彼女は自身の愛する妹のためならば、世界を壊す気でいる。
そして現時点で、世界を壊してしまったら、妹を幸せにする世界を創ることは不可能になってしまうことを彼女は知らない。
だから、その事実を教えてやらなければならない。
つまり、やることは『説得』。
だがこれは、狂気に魅せられている彼女には到底通じないだろう。
だからこそのフランドールだ。
フランドールを交渉材料にして、彼女に気づかせる。
貴女は、黒幕に踊らされているだけだという真実を――。

「さすがは紫ね、名案だわ。でも、彼女が交渉に応じなかったらどうするの?」

「フランを交渉材料、悪く言えば人質にしている以上、彼女が何か危険な手段を用いることはないと思うのだけれど……。
 だけどもし、彼女が強行手段に出るのであれば――」

「彼女を、中にいるゼロごと抹消するしかないわ」

そう、今のイリス・スカーレットの身体の本当の持ち主はゼロなのだ。
だから必然、彼女を抹消するのであれば、ゼロも抹消される。
そうしてしまったら、フランドールにも害が及ぶ可能性が極めて高い。
最悪、フランドールも姉と同じように狂気に踊らされる可能性も否定できない。
だからこの選択肢は選んではならないのだ。

「分かったわ、紫。この方向でいきましょう。……じゃあ、私たちはどうすればいいのかしら?」

此処からは幽々子の仕事なのだ。
紫には出来ないが、彼女には出来る仕事。
それは、処刑。
『死を操る程度の能力』をもつ彼女ならではの仕事である。

「簡単に言うと、イリスの欠片を全て殺してほしい。
 欠片の数は正確には確認していないのだけれど、恐らく後3体だわ」

イリス・スカーレットは、本来の実力も合わせてかなりの戦闘力を持っている。
それが欠片となって各地に派兵しているのだから、余計たちが悪い。
だがいくら彼女が強かろうが所詮は吸血鬼の枠からは出られない。
『死を操る程度の能力』をもつ幽々子が相手ならば、ものの数秒で灰と化すだろう。

「いいけど、私一人じゃ難しいわよ」

「大丈夫よ。助っ人も用意しておくわ」

「そう、それは頼もしいわね」

フランドールを奪取するには、彼女たちの力が必要不可欠だ。
黒幕の襲撃の可能性がある以上、私は神社から動くことはできない。
だからこそ、紅魔館が堕ちた今、紅魔館の構造に詳しい彼女たちに手伝わせるしかないのだ。
氷の妖精、チルノ。
フランドールと仲の良かった彼女たちなら、フランドールを奪取することができる。
後は欠片を潰して、本命は囮を使って時間を稼げればそれでいい。
殺す必要など、ありはしないのだから――。




「あ、幽々子様」

「ゆゆこだー!」

イリスと遊んでいると、主人が戸を開けて出てきた。

「紫様との会合はいかがでしたか?」

恐る恐る尋ねると、幽々子様はにっと笑って――。

「妖夢、ちょっとお願いがあるの」

「はい、なんでしょうか」

「ちょっと紅魔館にお使いを頼まれてほしいの」

「お使い……ですか」

幽々子様はにんまりと微笑みながらそう仰られた。
紅魔館にお使い、ましては今の状況下でそうのんきなことは出来ないだろう。
幽々子様が仰りたいのは、つまり――。

「紅魔館をお掃除してこいって紫に頼まれてねぇ。行ってくれる?」

「はい、分かりました」

幽々子様のお言葉に、私は力強く頷いたのだった。




妖夢が去った後、私は暫くの間後悔していた。
妖夢が頼りないというわけでもないし、ましてやイリス・スカーレットに劣るとも思ってはいない。
だがそれでも不安を拭いきれていないのは、あの黒い太陽のせいだろう。
あの黒い太陽を見つめていると、何故か吸い込まれそうになる、そんな気がする。

「ゆゆこー」

「ん、何かしら?」

「あのお日様ね、なんか怖いの」

私の不安が伝わったのかどうか分からないけれど、邪神であるこの子にもそう感じるらしい。
私はこの子が不安がらないようにこう呟いた。

「大丈夫だよ、悪い奴らみんなやっつけちゃえば、きっと元のお日様に戻るからね」

そう、今回の異変の元凶と黒幕を倒してしまえば、きっと元の幻想郷になるはず。
私はそう確信しながら、漆黒に染まった太陽を仰ぎ見たのだ。
あの吸い込まれそうになるほど黒く染まった太陽を――。

「え?」

漆黒の太陽の影に隠れて気づかなかったが、何かがこっちに落ちてきている。
例えるなら、隕石のように速く――ッ!

「イリス、下がって――ッ!」

どしんと地響きが鳴り響き、辺りには砂埃が舞う。
その瞬間、背筋が凍った。
何故なら、その砂埃の中から、震えるほどの殺意を感じたからだ。

「――ッ!」

無言のまま、手に扇子を持つ。
イリスを背後に隠したまま、砂埃の中へ弾幕を叩き込んだ。

「あらら、自己紹介もせずにいきなりぶつけるのはひどいんじゃないの?」

砂埃の中に人影が見える。
この声の持ち主も、恐らくその人影だろう。

「あら、それはこちらの台詞じゃないかしら?」

「えへへ、そうかもね」

砂埃の中から出てきたのは、一人の少女だった。
桃色のおかっぱに近い髪型に、人形のように白い肌。
少女と形容するに値する小さな身体。
くりりんとした瞳には、紅く燃えるような憎悪を感じ取れる。
ピンク色のフリルのついた洋服には、先ほどついたのかは分からないが黒ずんでいる汚れが見えた。
見た目こそ子供だが、その雰囲気から溢れんばかりの殺意を読み取ることができた。

「あちゃ、服が汚れちゃった。これまだ買ったばかりなのにー」

頬を膨らませながら、彼女はそう呟いた。
洋服に汚れがついているのがそんなに気になるのか、しきりにそちらの様子を見ていた。
全く、敵が目の前にいるのに、そんなに隙を見せていいのかしら。

「貴女は一体誰なのかしら? 訪問者にしてはちょっと乱暴すぎるのよね」

「それに私の張った結界をいとも容易く突破してきた。しかも私に気づかせることなく……。
 あれは殺気を出している者は通れない代物なんだけどね」

その言葉を聞くと、少女は驚いたような声を上げた。

「結界? そんなものあったんだぁ。気づかなかったよ」

この少女が嘘をついている可能性も無くはない。
だが今までの行動をみるに、この少女は本当の事を言っている可能性が高い。
そして、一番重要なことがもうひとつ――。

「貴女、何故死なないのかしら?」

「へっ?」

そう、私は何度も彼女を殺そうとした。
私の能力、『死を操る程度の能力』は文字通り対象の生死を操ることができる。
私が死ねと思えば、対象はいとも簡単に死んでしまうのだ。
実際には、対象の魂を手に持つことができるのだ。
そして、その魂を握りつぶしてしまえば、その魂は死ぬ。
これこそが、私の能力の真髄。
それが、何故かこの少女には効かないのだ。
何度殺そうと企んでも、殺すことができないのだ。

「ああ、おばさんの能力(ちから)ってそういうのなんだ」

「おばっ!?」

ちょっと、まだ私は『おばさん』ではなく『お姉さん』のつもりよ。
実年齢は軽く千を超えているけど。

「あはは、最近しわの寄りが気になってきたでしょ。顔に出てるよ」

「そうなのよぉ、年甲斐もなく――って、出てないわよ!」

危うくノリ突っ込みをするとこだった。あぶない、あぶない。

「まぁおばさんのことはどうでもいいよ。それよりもさぁ――」

目の前の少女がちらっと視線を私の背後に向ける。
そこにいるのは、イリス。

「そこに隠れてる子、邪神だよね。えへへ、こんな冴えない場所でこんな良いお土産ができるなんて思ってなかったよ。
 お姉様にまたご褒美が貰えちゃうかな」

「この子のこと、やはり知っているのね」

「そりゃ分かるよ、そのどす黒い気を見たら、ね。ねぇおばさん、私のお願い聞いてよ」

「何かしら?」

「そこの子を私に頂戴。そうすれば、おばさんのことは半殺しで許してあげるよ」

目の前の少女がにやりと哂う。
やはり言葉が通じない相手だったか。

「そんなことすると思って? 冗談にしては悪趣味よ」

「えぇー、冗談じゃないんだけどね」

彼女と話している間にイリスをそっと家に行かせる。
こういう事態になったときは、どうすればいいのかはいつも言い聞かせてある。
自分の部屋の押入れの中に隠れるように、と。

「隠れさせてもどうせ無駄なんだけど……。でもめんどくさいから、おばさんを殺して通るね」

「残念だけど、私は殺せないわ。だって、すでに死んでいるもの」

「あはは、そういえばそうだね。――だったら、この世界から消してあげるよ、跡形も無くね」

そう言うと、目の前の少女は宙に浮かぶ。
狂気に満ちた笑みを見せながら。

「私の名前はね、アトロポスっていうの。あんたを殺す奴の名前なんだから、覚えておいてよ」

「そう、じゃあ私の名前も教えてあげるわ。
 私の名は、西行寺幽々子。貴女を殺すお姉さんの名前なんだから、ね」


満身創痍リスト:

パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜
レミリア・スカーレット
犬走椛
射命丸文
小悪魔
サリエル
エリス
ユキ
マイ
夢子
八雲博

             To be continued...

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