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トップMapAngel Down 狂乱する少女編>『邪神の輩』

注意事項

1、これは東方projectの二次創作小説である

2、オリキャラが登場するのである

3、原作設定一部崩壊、キャラ設定一部崩壊しているのである

4、これらの要素のひとつでも嫌なのであるなら、すぐに戦略的撤退をするのである

5、以上のことが大丈夫ならば、スクロールで読んでいってくれ


前回→第16話『天空からの襲撃』

肌寒い風が吹き通る中、その風に導かれるかのように舞う桜の花びら。
そんな寒空の下、二人の人物が対峙していた。
西行寺幽々子とアトロポス。
亡霊の管理人と運命の三姉妹の三女。
存在の違う二人が、同一の感情を抱いていた。
それは、即ち『殺意』。
敵をいかにして迅速に殺すか、圧倒的な力を用いて叩き潰すか、それとも内側からじわじわと嬲り殺しにしていくか。
考えることは異なるが、それでも終着点は一緒である。

「どうしたのさぁ、おばさん。手が震えているよ?」

アトロポスが目を細めながら、愉悦していた。
それに対し、幽々子は――。

「あら、気のせいではないのかしら? 私は死を恐れる必要がないのよ。すでに死んでいるから」

「あらら、そうだったね。じゃあ早いとこ成仏させなきゃね」

「あら、気を使って悪いわね。でも安心して、まだ天に昇る気はないから」

「遠慮なんかしなくたっていいよ。私がこの手で昇天させてあげるんだからねッ!」

先に動いたのは、アトロポス。
口先を歪めながら、目標を捉える。

「アハハッ! イッちゃいないよ!」

彼女の手には何もない。剣もなければ、槍もない。ましては銃などあるはずがない。
では彼女の武器とは一体何なのか。それは彼女自身が武器なのである。
彼女のその細い腕、その拳が剣や槍、銃に匹敵するほどの『凶器』なのである。
彼女の腕が貫いた先が、砂埃を散りばめながら爆発する。
だがそこに感じるはずの感触がない。

「あれ?」

彼女もその違和感に気づいた。
抉っているのは地面。もうひとつ抉っていなければならないものがそこにはない。
それはつまり――。

「あら、どこを攻撃してるのかしら?」

彼女は空を仰ぎ見る。漆黒の太陽に重なるように、彼女がそこにいた。
まるで最初からそこにいたかのように、優雅にそして端麗にそこに居座る姿は上流の貴婦人と思わせる。
そんな彼女は、余裕めいた表情を見せながら、扇子を煽った。
その動きに鼓動するかのように、舞い散る色鮮やかな弾幕の数々。
それが全て、アトロポスの元に散らばる。

「わっ!?」

不規則な動きをしながら辺りに散らばる弾幕の数々。
戦場という所でなければ、美しいと感じてしまうほどの幻想的な景色。
だが余韻に浸っていられるほど、彼女たちには余裕はなかった。

「あっぶないなぁ。もっとゆっくり撃ってよね」

「あら、そうすると避けちゃうじゃない。当てなきゃ意味がないんだから」

「でも私には当たってないけどね」

「あら、本当。でも余所見してていいのかしら?」

その言葉にアトロポスが首を傾げると、背後から何かの気配がした。
すぐに振り向くが事遅し。
彼女の背後には、一羽の蝶がひらひらと舞っていたのだ。

「蝶?」

妖しげな雰囲気を醸し出すその紫色の蝶は、ゆっくりと彼女の背後についた。
彼女は後悔した。その蝶に少しばかり見惚れていたことに。
次の瞬間、その蝶が文字通り爆散した。

――華霊

「――ゴーストバタフライ――」

幽々子の使うスペルカードの中でも、その追従性能の高さと威力の高さが特に目立つカードである。
主に1対1戦闘に使われるが、時と場合によっては1対複数戦闘においても使用されることもある。
今回の戦闘においては、幽々子に注意を引かせることによって背後に接近されるまで気づかせなかったという展開を作り出した。
無論スペルカードの性能も然ることながら、幽々子自身の技量や経験によるものでもある。
スペルカードをコピーすることができる能力をもつイリス・スカーレットでも可能だが、同じ芸当をこなせと言われたら恐らく無理だろう。
幽々子だからこそここまで上手く出来たのである。

出だしとしては好調、幽々子はそう感じていた。
相手は幽々子を格下に見ている傾向があり、会話をしている最中の彼女は無防備であった。
その結果がこの様である。彼女が並大抵の妖怪であるならば、この時点で満身創痍は避けられないほどの重症。
だがもし、彼女が並大抵の妖怪ではなかったとしたら――。

「アハッ!」

爆発した衝撃で辺りに舞った砂埃が風に流されてきた。
少しずつ浮かぶ少女の姿。
その姿は、満身創痍というよりは健在そのものである。
強いて違う点を上げるとすれば、気持ちのあり様である。
『殺意』が、『狂気』に変わったといえばいいだろうか。
それほどまでに、彼女の雰囲気は変わっていた。

「アハハハハハハハハッッッ!!」

高ぶる感情を抑えられない獣のように、彼女はただ哂い続けた。
そしてゆっくりとその眼を細める。

「舐めた真似してくれるじゃん、おばさん。『奴』の汚れた細胞の癖に」

「奴の、奴の傀儡(がいらい)の癖に……。アハハッ、ますます殺したくなったよ――――ッ!」

「殺してあげるッ! あんたの手首を引きちぎってダルマにして三下妖怪の餌にしてあげるんだからッ!!」

「……それで、私が、あんたを救済してあげるんだから」

この目の前にいるピンクが何を言っているのか理解できない。
細胞? だるま? 奴? 奴って誰。
ただ、だるまという意味を彼女は知らなかったが、どういう目に合わされるかだけは察することができた。
成すがまま殺されるのではなく、嬲(なぶ)られて殺される。
死の安息を与えられることはなく、苦痛と恐怖に満ちた終わりを与えられるのだ。
そんなことは勿論、させるつもりはない。
幽々子はそのまま追い討ちをかけた。

「はああああぁぁァァァ――――ッ!」

急接近してから、扇子による斬りこみ。
扇子は弾幕を操る装置として、また状況により武器として扱うことができるのだ。
お互いの心臓の鼓動が聞こえる程の距離。
この距離では、避けることなど出来はしない。
だが彼女はひとつ見落としていたのだ。
彼女が、並大抵の妖怪ではないという事実を――。

「消えたッ!?」

彼女がその事実を判断するのに約一秒。
アトロポスには、その刹那さえあれば充分過ぎるのであった。

「お返しだよ、おばさん」

気がついたときには、彼女は視界にはいない。
そして声が聞こえた方向は、背後。
彼女はたった一秒で幽々子の背後に回っていたのだ。
宙返りしている彼女の周囲に展開されたのは、魔方陣。
アラビア語やヘビライ語で描かれた魔法陣ではない。
イリス・スカーレットの時と同じく、悪魔の言葉によって綴られた魔方陣なのである。
その事実は、次に何が起きるのか察するのに充分過ぎた。

――72柱

「――ムルムルの咆哮――」

魔方陣から飛び出してきたのは、とてつもなく巨大な青白い光線。
その図太い光線は、一直線に彼女の元へと走った。

「ッ!?」

素早く身を翻弄させるが、すでに時遅し。
そもそも死角となっている箇所からの狙撃、幾ら経験を積もうが避けることは至難の業である。
故に彼女には避けることができなかったのだ。

「ガァッ――――――――――!」

青白い光線を躱すことはできた。右腕だけを除いては。
避けるのに若干遅れたため、腕一本跡形もなく消し飛んでしまったのである。
たとえ亡霊だろうと、腕を失う痛みは軽いものではない。

「あッ……ぐぐ……ッ!」

耐え苦しむ幽々子の様子をみて、アトロポスは滑稽そうに哂った。

「アハハッ! 白玉楼の主人もやっぱり大したことないんだね」

「うっ……ぐぐ……ッ!」

「痛い? 痛いはずだよね。亡霊でも元は人間だもの。自分の腕が吹き飛ばされて痛くないわけないもんね」

「あ、でもさすがに可哀想だから、すぐに殺してあげるよ」

そう言うと、すっと彼女の気配が消えた。

「こっちだよ」

そう耳元で囁くように聞こえた。
彼女はすでに、幽々子の背後に移動していたのである。

「止めを刺してあげるね、もう少し甚振(いたぶ)ってあげたかったけど、私忙しいんだ」

その言葉の後、身体に異変が起こった。
ずしんと何かが貫かれる感触を味わった後、身体を見ると――。

「――ッ!?」

そこに広がっていたのは、自身の胸から生え出しているか細い腕であった。
その腕はひとつの生物のようにくねくねと不規則に動き出した。
動く度に、私は言いようの知れない恐怖と苦痛に襲われた。

「はい、じゃあ仕上げだね。そしたら、死ねるよ」

「嬉しいでしょ? 醜い『奴』の細胞らしく、あんた一人を抱いて、消えろ」

幽々子の胸に腕を突き刺したまま、腕を空へと向ける。
それに従って、重量に逆らいながら幽々子の身体が空へと引き上げられる。
そしてそのまま腕を下に振り下ろそうとした時――――!

「だめーッ! ゆゆこをころしちゃだめーッ!」

幼い男児の声が彼女たちの耳に届いた。
そう、イリスである。
彼は幽々子の言いつけどおり隠れていたが、幽々子が劣勢になるにつれて我慢が出来なくなり、ついに外に飛び出してしまったのである。

「あら、邪神の子じゃない」

彼の存在に気づくと、今まで腕を突き刺していたモノに興味を無くしたように見下ろした。
幽々子を突き刺しながら、彼女は空中で制止する。

「このおばさんを殺しちゃ駄目なの?」

「ころしちゃだめなのッ! ゆゆこはボクのおともだちだからッ!」

「そう駄目なんだ。でもね、私の言うことを聞いてくれたらもう虐めないであげるよ」

その言葉を聞いて彼が安堵するかのように表情(かお)を見せた。
その瞬間、幽々子に戦慄が走った。

――駄目よ、彼女の言葉を聞いてはならない。

そう口にしたが、その言葉は音を発することはなかった。
自身の胸を突き刺している輩が、何か特殊な細工をしたのかもしれない。
彼女には、彼を止める術はもう残されてはいなかった。

「私についてくるだけでいいの。そしたら、おばさんのことはもう虐めないわ」

「うん、わかったよ」

――駄目ぇぇぇっっっ!

その言葉は彼には届かない。
彼女は苦虫を噛み締めた顔をするしか他なかった。

「ごめんなさい、ゆゆこ。やくそくやぶっちゃって……。ゆゆこをたすけたかったの」

彼は知らない。
自身の存在が、力が、幻想郷に脅威をもたらすものであることに。

「だから、ゆゆこ。ありがとう」

そう呟くと、アトロポスとともに姿を消した。
それにより、彼女の胸に感じていた違和感も無くなっていた。

「ガハッ――――!」

重量に従うように地面に崩れ落ちた幽々子。
彼女は、守ることが出来なかったのだ。
彼女の身体は亡霊。無数の魂さえあれば回復することは比較的容易である。
だからこそ、彼女はその程度で死ぬことはないし、消されることもない。
だがこの事実を知らない者にとっては、殺している者と殺されかけている者にしか見えないのだ。

イリスも、私が殺されかけていると錯覚してしまったため、あの輩の指示に従ってしまったのだ。
イリスが奪われてしまった。これは、私の責任だ。
そして彼女の襲撃により、今回の異変の黒幕の存在が明らかとなった。
彼女が何者であるかという事に関しては、紫に知らせればすぐに判明するだろう。
だから私のするべきことはただひとつ、いかに迅速にイリスを救出することである。

「待っててね、イリス……。私が、必ず迎えに行ってあげるからね……!」

その濡れた瞳には、溢れんばかりの憤怒の感情が見え隠れしていたのだった。


満身創痍リスト:

パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜
レミリア・スカーレット
犬走椛
射命丸文
小悪魔
サリエル
エリス
ユキ
マイ
夢子
八雲博

             To be continued...
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